行商に関連した俳句の例をまとめました。
行商を含む俳句例
行商の茶の風呂敷や桜草/日原傳
行商の初袷着て出立哉/篠崎霞山
すぐ乾く風邪の唇行商す/東出善次
炎天や父の行商日記古り/武藤善尚
首伸べて雪天すすむ行商女/岸田稚
行商の旅の前夜の二日灸/天野菊枝
春寒の切符咥へし行商婦/石川文子
行商が箒で払ふ秋の蜂/小林嘉代子
行商の荷に油紙能登の雪/沢木欣一
残雪の余呉訪ふ薬行商と/羽部洞然
行商女雪払ひ乗る一輛車/小林千草
行商の人もをりたる秋灯/野中亮介
二日はや能登行商の雪合羽/新田祐久
水澄むや行商の荷にネルの縞/上村占
焼薯を食ふ行商の襟見せて/藤田湘子
蚕休みと言う頃合を行商婦/志賀敏彦
行商の畦に荷を解く麦の秋/岡田玉水
行商の荷の底にある干し蝮/今瀬剛一
行商女訛り巧みに小春かな/桜井紅霞
行商の湖に加へてよもぎ餅/大東晶子
俳句例:21句目~
雁渡る方より来しと行商女/上木輝子
雛の灯へ薬行商荷をひろぐ/羽部洞然
行商の土橋に見やる吹流し/大野林火
春シヨール欲し行商を心待ち/稲垣光子
炉に近く行商の荷を解きにけり/森花恵
行商に貰はれてゆく子猫かな/亀田牧女
行商の婆と乗り来る生姜の香/溝口昭二
行商女手籠は安房の黄水仙/秋山朔太郎
行商女葱の包みは手に提げて/山田節子
霜踏んで甲斐行商は深帽子/石田あき子
己が荷にもたれ昼寝の行商女/長崎小夜子
枯れを来て駅のくらがり行商荷/伊藤京子
枯野ゆく行商の荷の海老生きて/宮下翠舟
行商と乗り合はせたる霧のバス/西村和子
行商のふるさとぎらい山苣の花/神田斐文
行商の荷を解く田打ざくらかな/木村虹雨
行商の風呂敷解くや花いてふ/伊藤なづな
降りこもる駅ストーブの行商婦/文挾夫佐恵
貝虫つぶやく溝添ひの家の昼寝どきの行商人/大橋裸木