世紀に関連した俳句の例をまとめました。
世紀を含む俳句例
羽子板に残る遊侠世紀晴/的野雄
大岩が歩く砂漠の幾世紀/川村柳月
闇に穴あけ世紀最終汽笛/浅井愼平
白日傘世紀の橋を渡り来ぬ/星輝子
越年を古稀と世紀が合流す/黒田節
葱は無く鮭や切身に世紀寒/永田耕衣
諸共に世紀を越えん年忘/桑田美津子
豆飯や彗星世紀の彼方へと/川崎展宏
おでん酒百年もつかこの世紀/川崎展宏
世紀移るとさざれ石寒かりし/寺井谷子
年惜む卒寿の世紀惜むなり/浅井青陽子
木の実落ち次の世紀へ命継ぐ/脇本澄子
熟れ杏世紀燃えつつ終るべし/和田悟朗
新しき世紀をまたぐ除夜の鐘/村井杜子
戦争の世紀よさらば除夜の鐘/紙野康美
ながらへて世紀はじめの薺打つ/松井輝子
世紀果つ何時迄草のつと枯れて/矢島渚男
唄ふ唇が夜空に老いて老いゆく世紀/林桂
進化なき幾世紀経て木のぼる蛇/津田清子
ありぬべし世紀忘れといふことも/矢島渚男
俳句例:21句目~
世紀ひとつ木枯ひとつ過ぎにけり/島端謙吉
五世紀似の女しゃぽしゃぽ水使う/伊丹公子
暮れる世紀や英霊の墓なべて高し/飯田晴久
白夜の帆世紀をへだつ魚油もゆる/飯田蛇笏
羽子日和母をかこみて世紀こゆ/渡辺すみれ
天狼やアインシユタインの世紀果つ/有馬朗人
廻せ廻せ世紀またがるおけらの火/伊丹三樹彦
戦争の世紀でありし歯朶を刈る/七田谷まりうす
旧世紀のテラスゆらりとアラブ語過ぐ/伊丹公子
プールのそばに引きずられて世紀がある/筑網敦子
世紀終る夜セントラルパークのスケート/浅井愼平
海面にわたしの影は揺れている/一瞬間に世紀は過ぎた/小林健
<クローン牛>次々生れこの世紀緋のサルビアが地上を統ぶる/三井修
いまだ暗き世紀に生くる吐息とも祈りは長しグレゴリオ聖歌/近藤芳美
艶ふかき蜜柑を剥きて静かなるわがめぐりいま世紀が変わる/窪田司郎