歳時記に関連した俳句の例をまとめました。
歳時記を含む俳句例
俎は妻の歳時記水ぬるむ/鈴木一夫
歳時記の波郷は若し雪催/木村敏男
歳時記の表紙藍鉄夜の秋/高澤良一
ふれてみよ点字歳時記夏の項/辻桃子
新しき歳時記もらふ神無月/渡辺一枝
枕頭の歳時記更へむ猫の恋/相馬遷子
歳時記を世に問ふ年の改る/稲畑汀子
老人用歳時記は無し蚊遣香/鈴木鷹夫
葛飾に歳時記を閉づ野火煙/石田波郷
ねぢあやめ異国の花と歳時記に/野田武
冴え返る大歳時記の函きつく/喜多杜子
歳時記の牡丹も五月長谷寺も/河野静雲
囀りや歳時記の句を繰り返す/石田仁子
持ち古りし歳時記大事初句会/吉屋信子
歳時記に載りしわが句を読始/高間礼子
歳時記と二十世紀を見渡しぬ/高橋京子
歳時記のやうな人きて種を蒔く/大牧広
粽出て菓子の歳時記夏に入る/鈴木栄子
歳時記のわが名一つに根雪くる/木村敏男
歳時記の二月は薄し野に出づる/佐伯哲草
俳句例:21句目~
歳時記の師の句友の句菊日和/藤谷十三子
歳時記は秋を入れたり旅かばん/川崎展宏
歳時記をかざし初日を眩しみぬ/館岡沙緻
友の歳時記借りれば旧姓草紅葉/中村明子
春を待つ花の歳時記開きては/岩崎富久子
歳時記がありてしみじみ夜の秋/皆川白陀
歳時記にあそぶ独りや年のくれ/松本思桂
虚子編の歳時記も古り几董の忌/小川竜雄
黴の香の父の歳時記干しにけり/水木陽子
歳時記を繰れば寄りくる鹿のあり/岩崎照子
歳時記はばけものに似て葱の花/石堂摩夜子
歳時記に載せてはならぬ人間忌/立花ひかる
花の歳時記開きて春を惜しみけり/川村紫陽
歳時記に説ける二行や紫蘇漬くる/亀井糸游
歳時記に砂糖水ありなつかしき/佐々木美乎
歳時記やなんじやもんじやの花明り/長谷川双
童貞聖マリア無原罪の御孕りの祝日と歳時記に/正木ゆう子