土偶に関連した俳句の例をまとめました。
土偶を含む俳句例
青北風や土偶三千年の黙/矢野忠男
囀や土偶に逞しき乳房/染谷佳之子
遮光器土偶がふつと初笑/大森知子
お藷蒸す土偶体形疎んずも/高澤良一
爽籟や土偶どれにも臍の穴/有馬朗人
土偶には土偶の使命草の花/梅本幸子
菜の花や孕み土偶の深眠り/大森和子
腿太き土偶に割れ目豊の秋/矢島渚男
五千年も妊みて土偶緑さす/北川英子
秋風に飛出て安き土偶の臍/野澤節子
優曇華や土偶の顔は皆笑ひ/宮坂静生
星流れ土偶の眼より波の音/菅野茂甚
山笑ふ土偶のやうに妊婦われ/仙田洋子
月の出や女体土偶の身籠れる/辻美奈子
縄文のみみづく土偶の口寒き/石原八束
縄文土偶の乳房小さし春浅し/近藤一郎
人類の旬の土偶のおっぱいよ/池田澄子
凍土もて間牒土偶の鼻こねり/石塚友二
春寒く土偶のごとき欠伸して/行方克己
この秋も会いに無名の土偶の眼/対馬康子
俳句例:21句目~
土偶見し眼にたたなはる雲の峯/高澤良一
根城址にゆかりの土偶秋時雨/苫米地古北
花冷えや火に洗はれし土偶の肌/野澤節子
蝉しぐれおーいと縄文土偶の子/岡崎万寿
父に似て母に似て土偶夏痩せぬ/宮坂静生
闇のほか土偶は知らず母子草/柴田三津雄
ひなげしや土偶の乳房に指の跡/大木あまり
みな古き世の色まとふしぐれ土偶/吉野義子
みひらきて秋の翳濃き土偶の目/平井伊都子
向日葵は灼けて土偶のおほらかさ/高澤良一
日鼻凍む土偶になせり愛しくてか/宮津昭彦
涼しさの火より生れし土偶かな/小池きく江
胎の子に手を置く土偶あたたかし/林ゐづ子
土偶の雛目鼻もわかず笑み給ふ/加倉井秋を
土偶みな掌に乗り土用東風/廣瀬直人「朝の川」
芽立ち時土偶のかけらじゃがいもも/尾田秀三郎
春みぞれ土偶は四肢を張りづめに/鍵和田ゆう子