涙目に関連した俳句の例をまとめました。
涙目を含む俳句例
涙目の空を流るる返り花/原裕
山鳩の泪目赤し杉の花/無聞/齋
老犬も吾も涙目花粉症/天沼良江
長男という泪目の兜虫/関田誓炎
泪目に殊に眩しき遠雪嶺/前山松花
泪目の牡鹿一声ふり絞る/小出秋光
顔に近づく犬の涙目復活祭/桂信子
すりよりし馬の涙目鬼芒/大木あまり
春の蠅泪目の象寄り合へり/岡田史乃
切干や涙目となる夕日あり/山本洋子
勢揃ひして泪目の冬座敷/伊藤ミネ子
十夜粥泪目すこし乾きけり/関戸靖子
泪眼をほそめて花の梟かな/飯田蛇笏
涙目に見ありく背戸や蕗の薹/原石鼎
跳ねあがる海豚涙目文化の日/中拓夫
木曾馬の涙目ほそく柳絮飛ぶ/澤田緑生
死期知りし犬の泪眼梅雨深し/吉田朔夏
泪目に淡路島かげ花ざくろ/柴田白葉女
鶏頭を凝視めしゆゑの泪目か/大石悦子
泪目やしくじり三昧夜は朧/宇多喜代子
俳句例:21句目~
涙目に睡蓮煮えてゐたりけり/柿本多映
涙目のやうな空へとてんと虫/木村喜子
狩の空長寿いよいよ泪目に/吉本伊智朗
われのほかの涙目殖えぬ庵の秋/原石鼎
マンボーの大き泪眼冬に入る/本橋歌子
咳の後きらりと妻の泪眼よ/能村登四郎
山椒が泪目拭かず人を見る/鈴木八駛郎
涙眼をあやふくささふ冬の虹/上田五千石
泪目のまゝ鮟鱇の割かれけり/佐々木鳴子
疲れ鵜の瑠璃の泪目なせりけり/石川桂郎
真鱈なお涙眼雪のふりはじむ/諸角せつ子
天狼の泪目あやとり解けぬ子に/齋藤愼爾
枇杷洗ひ供ふ泪目きらびやか/赤松けい子
餅搗いてうすき涙目餅を食ふ/能村登四郎
泪目の乾鮭吊られ吹かれけり/平沢ひで子
独り祝ぐや枯木がかすむ泪眼に/田川飛旅子
ふるさとはいつも泪目花すもも/仲田美智子
涙目のまくなぎ払ひても払ひても/阿部みどり女