霜焼けに関連した俳句の例をまとめました。
霜焼けを含む俳句例
霜焼に角ばみ小さき片の耳/篠原
高野僧耳の霜焼まぬかれず/森田峠
霜やけを不二の光にこころ儘/園女
霜焼の耳美しき燈下かな/中西正史
大き手の霜焼の指愛しめり/仙田洋子
大聲の霜焼の子や川つぷち/田中裕明
蝶日和霜焼の膝ほどき見る/富田木歩
霜焼けの杉襖なす雪解かな/小林康治
霜焼の頬の赤らも頼まるゝ/林原耒井
人好しの貧乏耳に霜焼けして/平山藍子
叱るべき児の霜焼をふと庇ふ/富永小谷
客のあと妻霜焼の足を出す/下村ひろし
少し耳かゆし霜焼とも思わず/高浜年尾
杣を籠め霜焼け深き杉の山/小島千架子
父祖の血を承けけり頬の霜焼も/不破博
霜焼の耳ばかり見て聴き役に/上野章子
霜焼の膝ツ子うづく夜伽かな/富田木歩
霜焼をこすり歩きぬ古畳/長谷川かな女
鮎の炉や霜焼の子は掌を抱く/前田普羅
霜焼けの子の手がつくる砂の塔/佐川広治
俳句例:21句目~
霜焼けの手に息かけて機を織る/斉藤夏子
霜焼けの黄やみちのくの早苗束/沢木欣一
霜焼の小さき手より見舞ひ花/石田あき子
霜焼の耳こすりつゝ遅刻の子/吉塚久二三
霜焼もせず臈たけしいつのまに/久米正雄
霜焼のわが指をわが指が揉む/加倉井秋を
霜やけをこすり歩きぬ古畳/長谷川かな女
霜やけを踏まれ総髪を逆立たす/宮武寒々
霜焼の小指が過去を覚ましけり/丸田余志子
霜焼の手を子は告ぐる婢は告げで/中村汀女
じゃんけんのぐうは霜焼にぎりしめ/草間時彦
霜焼けのくすり机上にモオツアルト/桜井博道
霜焼けの頭をころころと蕗の薹/きくちつねこ
霜焼にかこつけ嘘をいふあはれ/阿部みどり女
霜焼に手ふれつおもひまとまらず/馬場移公子
京も終霜やけ薬貝に盛る/『定本石橋秀野句文集』