戦火に関連した俳句の例をまとめました。
戦火を含む俳句例
身の内に戦火の記憶寒昴/植村/文
幾戦火越えて冬帝二本杉/菊本昌子
早梅の白光色の戦火あり/対馬康子
長身の戦火を知りて焼藷屋/依光陽子
遠野火や戦火たえざる水の星/関一草
戦火に燃えし川面や雛流る/田口君枝
こちら日本戦火に弱し春の月/三橋敏雄
表札を洗ふみどりの戦火かな/攝津幸彦
街灯とイヴの灯競ひ遠い戦火/大高弘達
名ばかりの戦火の佛彼岸来る/猿山木魂
街を行く遠い戦火に手をあげて/三谷昭
潮騒や戦火の色の花デイゴ/十時千恵子
毛糸編む妻に戦火の遠けれど/岸風三楼
教会に戦火の跡やリラにほふ/梅田文子
初夢をわすれ戦火をわすれざる/仙田洋子
戦火なき世のとはにあれ初詣/上田正久日
戦火ふりかぶりし男蓮を剪る/大頭美代子
排気の火涼し戦火を忘れねど/殿村莵絲子
白息の闇のつづきに戦火あり/宮田カイ子
街をゆくとほい戦火に手をあげて/三谷昭
俳句例:21句目~
雪沁むや戦火にもろき墓ばかり/中島斌雄
少女の脚へ銅線からまり遠い戦火/安井浩司
戦火ボスニアいつそ海市の都なれ/仙田洋子
螢火に亡きは老いずよ戦火杳し/文挟夫佐恵
戦火つづく海面張力の亀甲墓/野ざらし延男
夕焼のはての戦火湯槽に砂たまり/友岡子郷
冬雲に機音何処かしのび寄る戦火/山岡敬典
ビールあげよ市民に燃える遠い戦火/三谷昭
ふるさとや柿は戦火のいろに熟れ/楠本憲吉
あらたまの玉の中なる戦火かな/高野ムツオ
年のネオン遠目夜空は戦火に似る/岩田昌寿
青さ残るバナナ手にせり戦火近し/村沢夏風
花柘榴戦火経て来し古井かな/玉城一香「地蟲」
ちやんちやんこ戦火潜りし母のもの/扇原よし子
箱庭に戦火逃れし山河あり/河口仁志「沖歳時記」