鼻緒に関連した俳句の例をまとめました。
鼻緒を含む俳句例
裏口の鼻緒の湿る宵祭/宮坂静生
水引草鼻緒の柄の江戸模様/桜井昌子
妹や鼻緒捨てきし夏夕べ/津沢マサ子
紅梅や後趁ひ来る子の鼻緒/横光利一
春昼や尼ぜの下駄の白鼻緒/高濱年尾
釈奠の赤き草履の鼻緒穿く/大貫時余
風の盆鼻緒の芯に昨夜の雨/藤田直子
十夜婆鼻緒の赤の糸じるし/加藤美代子
履きそめのかたき鼻緒や初詣/吉屋信子
智恵詣鼻緒が痛くなりにけり/細川加賀
桐下駄の細き鼻緒や傘雨の忌/田中幹也
水無月の下駄の鼻緒の雫かな/石黒一憲
菖蒲見る鼻緒つまりし高足駄/松藤夏山
薫風や鼻緒のゆるき有楽苑/佐藤美恵子
行春やゆるむ鼻緒の日和下駄/永井荷風
母の日や鼻緒の固き母連れて/恩田秀子
浜下駄の鼻緒の濡れて芋の花/平野無石
今の世も鼻緒綯ふ母花ゆすら/古賀まり子
売れもせず赤い鼻緒の滑り下駄/川崎展宏
夜店へと紅き鼻緒の下駄履いて/川口咲子
俳句例:21句目~
梅雨の庫裏白き鼻緒の利休下駄/友正義子
横坐りの足袋の鼻緒の跡しるし/原田種茅
葱坊主鼻緒の切れし下駄さげて/石川文子
霜除や下駄の鼻緒の朱も失せて/田中裕明
甚平着て間なし草履の鼻緒擦れ/高澤良一
鼻緒無き下駄のさすらう真菰池/佐藤文子
六斉や夕されば鼻緒ゆるみたり/水野真由美
暗闇くぐる紅き鼻緒をあらはにし/攝津幸彦
梅雨さむし赤い鼻緒にすげかへて/長谷川双
白足袋も鼻緒もきつめなのが好き/榊原弘子
笠美人右手右足左手左足や紅鼻緒/橋本夢道
背高鴫赤い鼻緒のじょじょ履いて/高澤良一
蛇に止まるひとりは鼻緒切らしけり/及川貞
古ネクタイ鼻緒におろせ花ぐもり/米沢吾亦紅
ゆるい鼻緒の下駄で雪道あるきつづける/尾崎放哉