都会に関連した俳句の例をまとめました。
都会を含む俳句例
都会顔田舎顔の子海水浴/林田亭夫
靴裏に都会は固し啄木忌/秋元不死男
極月の都会に来り籤を買ふ/加藤芳子
別れ棲む都会と田舎寒の餅/福田蓼汀
風鈴の咫尺に都会動くなり/山本歩禅
駱駝負ふ都会の砂漠花曇り/渡辺恭子
春愁は人なき都会なき海/野見山朱鳥
どつと着く都会の日傘美山村/山田弘子
夕暮れの都会は病めり鳥渡る/仙田洋子
濃き虹が都会の憂鬱にかかる/京極杞陽
蜘蛛の罠金泥の都会暮れなづむ/三好城
盆といふ都会の過疎の週の雨/鈴木栄子
都会よりもどる夜ふかし初蛙/馬場移公子
陽炎にガラスの都会揺らぎけり/白崎冨美
雨すこし都会寝入りの裸子へ/さかすみこ
どこにも蚯蚓人は都会へ集まれる/宮坂静生
ひとり暮し増えゆくという都会の灯/林壮俊
寝呉座して都会疲れの吾が子かな/佐竹たか
都会にも野辺の径ありナルコビエ/高澤良一
都会の昼一個のボール転りゆき/鈴本六林男
俳句例:21句目~
都会の谷間彼の素姓は知らない/奥野ちあき
のっぺい汁妻の都会になじめざる/柴崎左田男
モネを観てミロ観て都会日短か/野見山ひふみ
誰も彼も都会のさびしいバクテリア/松本恭子
無機質なナルシスト群れる都会の森/渡辺朱穂
無電とぶ都会むらさき色の餡をねる/赤尾兜子
そら豆の花咲く/都会へいった子らよ/赤堀碧露
枯れ葉くるくる都会の好きなつむじ風/岩間民子
糞尿車が都会の横顔をひいていつた/吉岡禅寺洞
都会の雑音に朝となり花が散りゐたり/栗林一石路
ぶらりとライオン都会の赤児が眠っている/坪内稔典
ここ草原から都会の憂鬱が見えている気球/栗林一石路
都会のあさのかみくず日雇女に怒りがある/吉岡禅寺洞