注射に関連した俳句の例をまとめました。
注射を含む俳句例
注射器に騰る鮮血鵙黙せ/野澤節子
末枯や身に百千の注射痕/日野草城
春燈に読む十五分注射終へ/相馬遷子
梅雨深し學童千の注射終へ/相馬遷子
注射針ぬうっと太き昼寝覚/高澤良一
古びたる注射針をも針供養/瀧澤伊代次
検便も注射も秋の暑さかな/大場白水郎
注射うつ袖うら赤し小正月/石井真理子
注射器具朝は涼しき音たつる/朝倉和江
長き日よ点滴注射さらに長く/相馬遷子
大泣きをして注射の子木の芽時/木村幸代
扉神見つつコレラの注射うく/千代田葛彦
春を待つ渡航の注射終へし腕/田川飛旅子
泣初の注射にぎはふはやり風邪/三嶋隆英
注射効くからたち空へ棘こぞり/河野南畦
注射針の痛さに馴れし小暑かな/日笠靖子
注射針剌すに秋光冷ゆるなり/小松崎爽青
注射針憎し温室花眼に沁みる/柴田白葉女
点滴注射明日より減るよ桃の花/相馬遷子
祇園祭シャツと注射の空気抜く/松本恭子
俳句例:21句目~
臀出して注射されをり神の留守/清水基吉
風邪の牛ごぼごぼ減らす注射液/右城暮石
さくらしづか身に一点の注射あと/野澤節子
医者ぎらひ注射ぎらひの日向ぼこ/武田忠男
注射し守る炎昼石廊に臥しいるを/古沢太穂
注射器に昂まる花びらのマニラ湾/攝津幸彦
注射器へあいまいな血の流れ込む/中村安伸
祇園祭/シュツと注射の空気抜く/松本恭子
立秋の肌さらさらと注射受く/阿部みどり女
細る身の注射責めなる遅日かな/加藤知世子
起重機を下りきてコレラ注射受く/亀井糸游
貨車の間にかたまりコレラ注射受く/亀井糸游
栄坊は注射もされず死んで二畳で昼寝のよう/橋本夢道