歳徳神に関連した俳句の例をまとめました。
歳徳神を含む俳句例
年棚や三代守る太柱/大石昌代
紋服や年神が来し杣の家/森澄雄
傘に歯朶かゝりけり恵方棚/夕道
年神の来て萱葺の軒雫/山本洋子
年神に小さき鰯過疎盆地/稲垣陶石
年神へ吾が還暦の朱蝋燭/水谷芳子
蒼茫や歳徳と朝弾み来る/笹川正朋
飯を炊く初対面の年神へ/簑口民子
軋めるは舟か年神来る音か/小林貴子
歳徳や土かはらけの御燈明/西山泊雲
年棚を飾りあひけり思ひ妻/松瀬青々
沙彌が刷る歳徳神も年用意/河野静雲
箕に祀る歳徳の燈や臼の上/吉田南鴎
いと小さき歳神さまの鏡餅/戸塚茅亭
千里眼年神霞む野に立てり/高澤良一
年神に樽の口ぬく小槌かな/榎本其角
年神へ切火栃栗たてまつる/宮津昭彦
年神も雪に端山の見えかくれ/斎藤玄
歳神に荒神すゝけ在しけり/籾山梓月
あばら家も歳徳神の御宿かな/小林一茶
俳句例:21句目~
年神の素戔嗚尊に似て荒太鼓/我妻草豊
歳神と書きまゐらせて歳の神/山口青邨
年神の来給ふ雪のいとまあり/宮津昭彦
鳥追小屋歳神の座を切株に/八牧美喜子
仮に打つ釘もききけり恵方棚/萩原乙彦
年神と語らむ事も多からず/相生垣瓜人
年棚にまだ土つかぬベビー靴/橋本榮治
年棚はやゝ筋違にゆがみけり/松瀬青々
母ありて歳徳様の灯を消さず/影島智子
恵方棚今朝生みたての卵載せ/増田昌恵
銛の秀を飾りし海女の恵方棚/山崎羅春
歳徳神野に出て遊び夜は戻る/加倉井秋を
年棚やみあかしあげて神いさむ/村上鬼城
歳神のすこし踏みたる畦の雪/大峯あきら
歳神の在します嶺の明けそめし/石井きよ子