猪口に関連した俳句の例をまとめました。
猪口を含む俳句例
鍋焼や主が猪口の癖久し/尾崎紅葉
鯉のぼる猪口の水上幾代の春/露言
猪口の波そのまま口へ今年酒/角光雄
酔うて候この大寒の厚き猪口/石寒太
冷酒に澄む二三字や猪口の底/日野草城
南国の猪口はおほぶり新走/高橋ツトミ
猪口伏せて飯食ふ老や宵の春/河野静雲
花七分まこと守るべき猪口二つ/齋藤玄
鮟鱇やかげ膳据ゑて猪口一つ/飯田蛇笏
かげろふや禁酒地蔵の笠は猪口/鷹羽狩行
こころえて猪口とる雪の宴かな/飯田蛇笏
そゞろ寒猪口の小さきを鼻の先/角田竹冷
どん栗の猪口をかぶりて踊らばや/中勘助
ひと猪口の酒のこどもら虫送り/森田公司
二十日正月銚子信楽猪口丹波/土田祈久男
円山の雪寒紅の猪口に降る/長谷川かな女
枝豆に藍色の猪口好みけり/長谷川かな女
母描きし猪口に白酒みたしけり/稲垣光子
猪口に瑕あつてはならず春燈/鈴木真砂女
薬つぎし猪口なめて居ぬ秋の蝿/杉田久女
俳句例:21句目~
酒つげば猪口がつてんす春燈下/飯田蛇笏
小手寒く廻す轆轤に猪口あれ来/清水基吉
風花の諏訪や蕎麦猪口買ひ揃へ/宮坂静生
地酒注ぐ猪口も徳利も今年竹/黒坂紫陽子
そば猪口の端物買ひたる露伴の忌/半澤清隆
どぜうやの大きな猪口や夏祭/久保田万太郎
唇に吸ひよせられし切り子猪口/菱田ます子
老いぬればあたゝめ酒も猪口一つ/高浜虚子
一人猪口をふくみて夏のよき夕/久保田万太郎
三つまでうけたる猪口や桜もち/久保田万太郎
猪口ひとつづつあてがはれ避寒かな/満田春日
一ト猪口はート猪口と秋ふかきかな/久保田万太郎