星空に関連した俳句の例をまとめました。
星空を含む俳句例
青炎の星空に澄む橇の鈴/沢聡
星空に始点終点安息日/対馬康子
吾若し春星空に帆綱鳴る/金子兜太
星空を足音あゆむ十一月/平井照敏
ささめごと星空に咲く露台/安田笙
声秘めて語る星空花柘榴/石塚友二
美しき星空なりし村の盆/水田清子
旱田に星空の闇広がりし/伊藤凉志
星空へ口を大きく社会鍋/木内彰志
春大風海の星空剥れずに/堀口星眠
立ちあがればよろめく星空/住宅顕信
星空をまはす水車や春隣/市ヶ谷洋子
枯萩を焚き星空を曇らしぬ/山田弘子
氷塊を挽き終えて夏星空ヘ/大井雅人
蝉殻を割れば星空響き合う/田村勝実
風除の中へ星空下りてくる/辻口静夫
星空に聳えわけても鳳凰台/高澤良一
夜の秋や恵那の星空手にこぼれ/林翔
星空に鐘鳴り森に降誕歌/古賀まり子
星空のどこまで匂ふ稲架襖/田中政子
俳句例:21句目~
星空のかたむく下向お水取/井沢正江
星空となる約束の青木の実/藤岡筑邨
星空となる菊人形直立し/波多野爽波
星空と濡れて一夜の紅葉山/松村蒼石
星空へひしめく闇の芋畑/長谷川素逝
星空に居る大富士や除夜の駅/たかし
星空に干しつるる衣や杣が夏/原石鼎
星空の下健康な寒さあり/中口飛朗子
星空ゆく屋台提灯夢うつつ/高澤良一
星空へ総身のばし枯木立つ/成瀬正とし
お松明燃えて星空なかりけり/開田華村
とんどの子去りし星空さがりくる/六花
星空へ田植三日の顔あらふ/長谷川素逝
星空に総身のばし枯木立つ/成瀬正とし
星空を闇とは見せつ酉の市/水原秋櫻子
叱責の子を星空に連れてゆく/対馬康子
星空へ蛙は闇をひろげたり/深川正一郎
星空へ消え入りがてに梅白し/鈴木花蓑
星空に琴をあずけて花野ゆく/高澤晶子
花の夜の星空河鹿啼きそめぬ/渡邊水巴
俳句例:41句目~
花火みゆ星空劃ぎる軒端かな/滝井孝作
地吹雪と別に星空ありにけり/稲畑汀子
余寒凪星空染めて浪けぶる/金尾梅の門
星空をふりかぶり寝る蒲団かな/東洋城
夏の星空の家路よ犬の寝そべり/小澤碧童
大旱の星空に戸をあけて寝る/長谷川素逝
寒に入る夜や星空きらびやか/長谷川素逝
星空となるまで森のさへづれり/小澤克己
星空のこぼす夜露を踏みながら/稲畑汀子
北風凪ぎの星空ゆくは鴎かや/金尾梅の門
歳明くる戸を星空へ繰りて老/長谷川素逝
星空のすぐ降りて来る焼野かな/山崎満世
渡り鳥は知つている星空の暗号/伊藤完吾
星空のさむき夜明よ地に寝て/長谷川素逝
星空のひろがる明日の山焼かん/宮中千秋
船の窓の星空の揺れそめし輝き/大橋裸木
星空の中から聞こえ青葉木菟/石井とし夫
星空の涼しければの瞳なりけり/石田勝彦
虫の夜の星空に浮く地球かな/大峯あきら
星空へ店より林檎あふれをり/橋本多佳子
俳句例:61句目~
降るやうな星空村は寒に入る/長谷川素逝
めつむりし中の星空白雄の忌/鷲谷七菜子
らん~と星空生きぬ鬼やらひ/徳永山冬子
いつか星空屈葬の他は許されず/林田紀音夫
星空に星がうごいてあたたかし/今井杏太郎
星空の中より散りて来し木の葉/成瀬正とし
星空のうつくしかりし湯さめかな/松村蒼石
星空へたちあがりたる橇の馭者/成瀬正とし
星空となりゆく雪を掻きにけり/金尾梅の門
星空に一ト夜埋まりてキヤンプ濡れ/岡田日郎
星空の下の人の世のこゝに泣く男/栗林一石路
ものうい通夜の星空へ夜業の煙が黒々とのぼつている/橋本夢道
夏の夜の星空こがす炬火の列ひたひたと弥撒にゆく使徒の列/木俣修
星空のはてより木の葉ふりしきり夢にも人の立ちつくすかな/山中智恵子