褥に関連した俳句の例をまとめました。
褥を含む俳句例
水仙や褥暖かき客設け/島田青峰
冬鳥と膝折るレダと荒褥/渋谷道
春雷や旅の褥に男の香/大橋敦子
学問の昼の褥は壁に押し/岸風三楼
燈籠のもとに褥や病虚吼/岸風三楼
馬に敷く褥草にも萩桔梗/富安風生
早春の海月石蓴を褥とす/高澤良一
ゆく春の仏を迎ふ褥かな/西島麦南
青麦の褥に山ののつてをり/上野泰
秋晴や頂上にして褥草/楠目橙黄子
瓜番の茣蓙一枚の褥かな/広沢米城
大綿や褥にわすれたりし紐/中田剛
天蓋を褥となせり黒揚羽/柿本多映
河豚汁や女あるじの皮褥/井上井月
月光の鬼の醜草なり褥/高野ムツオ
芍薬の闇のつづきにわが褥/池田蝶子
鼬罠かけて褥の足裏もゆ/山上樹実雄
金星は日の嗣子夕焼雲が褥/香西照雄
みちる潮夏の褥につづきけり/澁谷道
また痩せて蛍のにおいする褥/渋谷道
俳句例:21句目～
姨岩に雪の褥の敷かれあり/藤岡筑邨
恋猫の薄き褥をうらがへす/岩田昌寿
日盛りや褥を背後退路なし/斎藤空華
母刀自は褥の上に十三夜/大橋櫻坡子
灯を消すや蹠涼しく褥ふみ/佐野美智
桔梗や褥干すまの日南ぼこ/芝不器男
いたゞきて薫風に坐す朱の褥/渡邊水巴
病む牛の褥に敷けり今年藁/加々美鏡水
病褥に四肢を横たへ離職せり/日野草城
秋の夜の影絵をうつす褥かな/芝不器男
倒れ伏すものを褥に菖蒲の芽/稲畑汀子
秋風や抱いてほしさの褥の児/林原耒井
糊利いて平らなる褥ヒロシマ忌/澁谷道
自然薯はすすきの褥して届く/高澤良一
月光を敷きて螻蛄の褥とす/高野ムツオ
狐火にかこまれてゆく褥かな/藺草慶子
たれも見ぬ留守のわが家の春褥/澁谷道
鶴啼くと三階に敷く褥かな/阿波野青畝
遠き芒と同じ高さに夜の褥/北原志満子
げんげ田に臥しげんげんの厚褥/大橋敦子
俳句例:41句目～
白づくめの病褥もまた冬用意/能村登四郎
一葉づつ褥とつもれ散る木の葉/栗生純夫
卯の花腐し昼の褥をのべよとは/高和ことこ
夫の忌を修すや風邪の褥より/竹下しづの女
げんげ褥の香もなつかしや疲れ臥し/高田蝶衣
