火薬に関連した俳句の例をまとめました。
火薬を含む俳句例
鉄砲火薬店旧正の客一人/浦野芳南
あまい食欲火薬工場は空の底/穴井太
威銃老い細る身に火薬の香/大井雅人
強霜に何の撃たれし火薬臭/澤田一餘
火薬庫のとなり酒蔵雪ふれり/皆吉司
秋の蜂群れて火薬の匂ひ満つ/佐野威
葛の葉の茂みに火薬工場の灯/穴井太
いやに笑う少年未明の火薬臭/岡田耕治
夜光虫火薬庫のあるだけの島/永田青嵐
枯山に火薬の匂ひふとしたる/西村和子
火薬庫の前を玉葱さげてくる/大石雄鬼
火薬庫の注連のそよげる山始/西井江村
火薬庫の真上で瘠せる童話の月/穴井太
火薬庫の緑地耐えいる鷺の首/杉本雷造
秋風に火薬のごとき妬心かな/香取哲郎
雀鉄砲綺羅の花粉の火薬付/佐々木六戈
かたかごの径火薬庫へつづきけり/山本悠
残雪や固く閉ざされ火薬小屋/加藤知世子
火薬工場の真昼眼帯の白現われ/杉本雷造
火薬店の前よぎりゆく小正月/政野すず子
俳句例:21句目~
火薬庫を見まわりに来て栗拾ふ/逸見末草
こときれる冬蜂ひとつまみの火薬/守谷茂泰
火薬のやうな胡麻乾して媼離れけり/椿春水
火薬庫ある奥山かけて紅葉はげし/宮津昭彦
火薬庫跡にシャツの一竿南吹く/諸角せつ子
火薬箱匂いもたてずきりぎりす/加藤かけい
蜂の仔採り火薬の匂ひさせて来る/蟇目良雨
葉山葵の密封火薬をつめるがごとく/幅田信一
遠いいくさの火薬のにほひ焼芋は/田島たつほ
をみなへしをとこへし火薬庫はいづこ/栗林千津
空蝉のしかと火薬庫抱きおり/中村和弘「蝋涙」