螢烏賊に関連した俳句の例をまとめました。
螢烏賊を含む俳句例
橋くもる日の深皿の蛍烏賊/渋谷道
真夜中の港を煌と蛍烏賊/菖蒲あや
蛍烏賊からりと揚げて祭宿/保坂リエ
蛍烏賊光る方へと舟かしぐ/廣野實子
蛍烏賊松風陸を離れざる/金尾梅の門
螢烏賊ともる許婚者の健啖/塚本邦雄
螢烏賊一期の灯ともしけり/大森桐明
光るまま網ですくはれ蛍烏賊/吉川康子
川水を恋ふとはあはれ螢烏賊/高野素十
晩年の旅蛍烏賊歯になじむ/青木よしを
波の穂の段なすひかり蛍烏賊/福山志づ
父の忌の町に出初めし螢烏賊/澤木欣一
砂吐かすごとくに濯ぎ螢烏賊/石川桂郎
蛍烏賊に種のありしよ夜の酒/進藤一考
蛍烏賊夜汽車蠍のごとく発つ/宮武寒々
蛍烏賊青き飛沫をふりこぼす/石黒ト風
そのかみの荒磯の海や蛍烏賊/深井きよし
灯を慕ひきては汲まるゝ蛍烏賊/堺井浮堂
蛍烏賊掬ひ売る手に生きてをり/本間愛子
蛍烏賊汐たるゝまゝ食うべけり/高木晴子
俳句例:21句目~
蛍烏賊見に行く舟に月も佳し/高田風人子
ほたる烏賊越よりとどき仏生会/角川春樹
まつくらな海へ見にゆく螢烏賊/深見けん二
掌にのせてつくづく蛍烏賊を見る/高木晴子
蛍烏賊ともりておのれ照らしけり/船平晩紅
蛍烏賊ばかりの糶のはじまれり/長沼三津夫
螢烏賊来るを待ちつつ夜もすがら/指中恒夫
ほたる烏賊喉とほりゆく夕ベなり/佐川広治
さびしさが焼きころがして蛍烏賊/能村登四郎
ほたる烏賊出そめし木々の芽も育ち/鈴木真砂女
螢烏賊握りしめて言ふ「きんたまだ」/瀧澤伊代次