遺骨に関連した俳句の例をまとめました。
遺骨を含む俳句例
下萌や無名の遺骨整然と/川崎展宏
常闇に遺骨安泰明け易し/香西照雄
桜貝は遺骨八月十五日/櫛原希伊子
草蓬あまりにかろく骨置かる/楸邨
九十九の母の遺骨や桃の花/橋本夢道
爽籟や遺骨のあとに鳥の列/古舘曹人
秋草の真つただ中に遺骨かな/石寒太
緑の肉詰まる松笠子の遺骨/香西照雄
蝉声の海溝友の遺骨に蹤き/桜井博道
遺骨なき戦死の父の墓洗ふ/若月栄枝
還らざる父の遺骨や終戦日/高間礼子
霧最上遺骨の父を絹もて巻き/澁谷道
麦秋の故郷に帰る遺骨かな/河野静雲
冷雨なり二三は遺骨胸に吊る/片山桃史
新緑を見透かせぬなり遺骨抱き/澁谷道
純白の結び目北風の遺骨一つ/成田千空
胸に抱く遺骨のかろき野分後/関野寿子
落鮎が妻の遺骨をかじりけり/猪原丸申
遺骨けふも帰る都や春の雪/大谷碧雲居
遺骨出る影はあざやか秋の門/石原八束
俳句例:21句目~
叔父ふたり遺骨還らず黄砂降る/松下訓子
娶らざりし遺影の笑みへ羽蟻翔つ/飴山實
山々よ遺骨に傘を差してでる/奥山甲子男
遺骨に日の射すまで畳凍つるかな/岸田稚
遺骨乗る夜汽車海から春の雪/中嶋いづる
雪の家遺骨とともにしづまれり/佐野良太
瞻のかぎり遺骨寒夜の汽車を待つ/中島斌男
妻の遺骨を網棚に置きねむたくなる/栗林一石路
幼ない日あそんだ銀杏の下に立つ母の遺骨と/吉岡禅寺洞
母という名に生きてきた遺骨のかるさを抱く/吉岡禅寺洞
錦でつゝまれた母の遺骨銀杏はまだ枯れている/吉岡禅寺洞