不惑に関連した俳句の例をまとめました。
不惑を含む俳句例
淡雪や慳貪嫌ふ我が不惑/藤井彰二
一歩づつ不惑ちかづく白牡丹/石寒太
不惑てふ年の境を越えにけり/上野泰
不惑とうに過ぎ竜胆の時間/石田順久
不惑とや豆腐一丁手で崩す/大西泰世
不惑なほ母から貰ふお年玉/鎌田真弘
不惑来る華のごとくに霜柱/岸原清行
呉服屋の番頭不惑処暑の雨/増田栄子
照り翳るガーベラを愛づ不惑前/林翔
照り翳るガーベラを賞づ不惑前/林翔
牡丹を嗅ぎて鬱々たる不惑/嶋田麻紀
竹落葉掃いて不惑へ盛岡へ/宮坂静生
風花の空を黝しと見る不惑/根岸善雄
不惑まで夏の蓬を刈らむかな/中原道夫
不惑涼し夜色を得つつ空青む/香西照雄
夏帽に應はぬものは不惑かな/高橋睦郎
宗匠の不惑まどひけり竹を植う/太宰治
底紅に咲いて木槿の不惑なり/谷中隆子
春深む一期不惑にとどかざり/廣瀬直人
木枯へ不惑といふも火の如し/鈴木鷹夫
俳句例:21句目~
かなぶんを美しいといふ不惑かな/内野修
やれやつと句誌も椿も不惑かな/青木重行
わが不惑げじげし妻に抑へられ/岸風三樓
初夏やをとこ不惑の泣ぼくろ/稲垣きくの
土佐文旦不惑はじまる綿のやう/宮坂静生
男不惑ひたひた寄せる光悦忌/河野多希女
木の葉髪齢の不惑はすでに超ゆ/稲垣きくの
不惑とはカンナの群れてゐるあたり/櫂未知子
不惑へ結ぶ玻璃から直線に二月富士/磯貝碧蹄館
不惑より一徹とほしちゃんちゃんこ/鈴木いはほ
甚平とバッハを愛し不惑なり/満田光生「製図台」