峡田に関連した俳句の例をまとめました。
峡田を含む俳句例
夏燕峡の田毎の水の音/藤木倶子
雨合羽峡の田植はただ黒し/林翔
峡の田に天明苗の影早も/下村槐太
双肘に岳の日躍る峡田打/木下ふみ子
嫁が刈るものと峡田の稲残る/高階敦
山桜峡田の畦のまつさをに/相馬遷子
芹のびて神山颪す峡田みち/飯田蛇笏
細長き峡の田二枚稲架二列/古江賢定
威銃一つにて足る峡田かな/筒井珥兎子
溝蕎麦や峡田乏しき水をひき/平松草太
猪垣の守る四五枚の峡田かな/宮下翠舟
花過ぎし峡田の畦を塗る音か/加藤楸邨
落葉松に峡田のすきて目借時/飯田蛇笏
藁塚二三峡田霙るる菅沼も/栗林一石路
鍬折々怒ひらめき峡田打つ/加藤知世子
風の音ばかり峡田の晩稲刈/柴崎久太郎
喪ごころとなす峡の田の一春灯/岸田稚
峡の田の暗きに鳴れり落し水/吉良蘇月
峡の田を沢蟹はしる出水あと/太田蓁樹
廃農家増えたる峡の田水張る/高橋悦男
俳句例:21句目~
峡田育てし落し水行く重し睡し/加藤楸邨
日照雨来や峡田は稗を躍らしめ/石田波郷
峡の田のうかと日の照り種茄子/関戸靖子
峡の田の藁塚より鶉まろび出づ/根岸善雄
伊賀峡田薄暑の苗を植ゑはじむ/柴田白葉女
島にただ一つの峡田案山子たて/小原菁々子
昨夜の雨峡田は半ば刈られをり/村上しゅら
峡の田の稲のさゆらぎ穂の重し/澤田キミ子
磨崖佛をろがみ植うる峡の田を/水原秋櫻子
植ゑ終へし峡田を見つゝ汽車ゆるく/高濱年尾
峡の田にひとりとなりて紫雲英蒔く/森戸山茶花