診るに関連した俳句の例をまとめました。
診るを含む俳句例
心電図狂ふと診られそぞろ寒/田口武
暦売手相を診ると掲げけり/野中亮介
松蝉の群唱に入り杣を診る/金子千侍
鮑先生赤子の寒き耳を診る/田中裕明
初暦人診る日々に古りはじむ/新明紫明
秋潮に揺れつゝ船の家族診る/元島君子
竜淵に潜む面持ちして診られ/高澤良一
夕立に濡れたるまゝの患者診る/浦上新樹
感染を怖れて居れずコレラ診る/幸野梨杖
春寒く吃り打つ脈診られをり/石田あき子
死病診るや連翹の黄に励まされ/相馬遷子
泌尿器を診るに室津の梅活けて/品川鈴子
瓜の花手につけ農夫胸診られ/瀧澤伊代次
髪あかき女医に診られぬ日雷/大竹多可志
冬田へ透かし診る百姓の骨の写真/木村三男
垂れ下る糸瓜忌すぎし胃を診らる/萩原麦草
岐阜提灯まだ点らぬに診られけり/近藤一鴻
患者診るや外套敢へて脱がずして/相馬遷子
牛買ひも来てをり風邪の牛を診る/右城暮石
終戦日ノモンハン耳鳴りけふも診る/佐竹泰
俳句例:21句目~
風邪の牛診る灯をともす長コード/右城暮石
うつうつと鬱のお婆の風邪を診る/多田/薙石
嬰児診るや昼寝起こされし口むすび/相馬遷子
浴後なりセル着て診るも許されむ/下村ひろし
聖夜わがましろき胸を診られ臥す/鷲谷七菜子
賀辞述べし口開けられて咽喉診らる/槫沼清子
診られ来し寒夜呟くうるさきまで/赤城さかえ句集
椅子ひとつ青野に据ゑて牛を診る/大前貴之「雉俳句集」