平仮名に関連した俳句の例をまとめました。
平仮名を含む俳句例
恋歌をひらがなに娘の筆始/森澄雄
ひらがなの名前の大き初便/麻植裕子
平仮名の生る様見し茎立菜/星野紗一
日本にひらがなの美や星祭/大橋敦子
船厨に海たひらかな三日過ぐ/友岡子郷
黒板はひらがなばかり花林檎/吉原文音
平仮名を一字教えて春残し/保科その子
ひらがなを用ゐて春の句会かな/小島健
片仮名にはた平仮名に庭落葉/富安風生
天心にひらがなを書く漢かな/大井恒行
ちぎれ雲はひらがな列島凍る/小山智庸
町中のひらがな覚え入学す/木野田和子
種袋母のひらがなおもしろし/井出寒子
ひら仮名の雀のお墓霜ざれぬ/臼田亞浪
ひらがなの伝言蝶の昼ならし/伊藤通明
ひらがなの文音百日紅溢れ/河野多希女
きさらぎやひらがなの戀物語/百瀬美津
あさがほと平仮名に書く夏日記/今泉貞鳳
ひらかなように男がやってくる/大西泰世
書初や平仮名一人一字づつ/久保田万太郎
俳句例:21句目~
ひらがなで物思ふ日の花菖蒲/鍵和田釉子
金草ひらがなだけの手紙来て/栃木恵津子
揚羽蝶ひらかなのごと宙舞へり/谷口桂子
カタカナの雨音雪はひらがなに/七沢実雄
秋の灯にひらがなばかり母へ文/倉田紘文
病む母のひらがなことば露の音/成田千空
夏蝶のひらがなとびに土佐日記/川崎慶子
初燕ひらがなばかりの手紙かな/平山圭子
春竜胆ひらかな書きの筆ほどに/山田弘子
ひらがなの母の匂ひや花あやめ/八十島稔
女性とはひらがなのよう今年酒/井上一風
敬老日ひらがなばかりの招待状/向井久子
ひらかなの柔らかさもて春の波/富安風生
身に入むやひらがなのみの母の文/牛尾澄子
片仮名ハ平仮名ヨリモ涼シキカ/相生垣瓜人
ひら仮名の化身うち倒されて居り/阿部完市
あはゆきとひらがな書きに降るごとし/林翔
ひら仮名でもの言う母や夕雲雀/高橋富久江
ひらかなのように男がやってくる/大西泰世
ひらがなのごとき雲ゆく野分あと/藤木倶子
俳句例:41句目~
ひらがなのようにくらして春の風/林ヨシ子
ひらがなの母にまゐらす夏書かな/河野静雲
初蝶のひらがなあそびきりもなや/井出千二
声出して読むひらがなの苗の札/片山由美子
夏蝶のひらがながきに馬柵を越す/永瀬幸子
ひらがなは春のどじょうの百態図/浜元旭子
早梅やひらがなの名の吾子ふたり/藤田湘子
スケートの渦のひらがな文なさず/河野南畦
和歌浦やひらがな書きの流れ海苔/鷹羽狩行
京鹿子ひらがな言葉かけてゆく/井上菜摘子
朧夜の母ひらかなのやうに老い/小檜山繁子
走馬灯ひらがなといふ優しきもの/辻田克巳
春愁ひらがなの風が背を押してくる/石田瑞穂
てふてふのひらがなとびに水の昼/上田五千石
ひらがなも漢字もよけれさくらそう/安斎郁子
ひらかなの散らかつてゐる歌留多会/後藤立夫
雛の句の母のひらがな老いにけり/蓬田紀枝子
青みつつひらがなになるいととんぼ/大西健司
秋灯寄せ子へひらがなの便り書く/五木田浩水
さくらんぼと平仮名書けてさくらんぼ/富安風生
俳句例:61句目~
はなはひらがなにさきひらがなでちる/塩見恵介
ひらがなの会話主婦らに薔薇芽張る/鈴木蚊都夫
こでまりをひらがなに活け病み上手/横山みづほ
ひらがなのかなかな啼かせ母郷かな/辺見じゅん
かなかなはひらがなのかなかなとなく/吉田ひろし
ひらかなのごとしや蝌蚪のちらばりて/片山由美子
千鳥おどしの千夜経、ひらがなの車がゆく/加藤郁乎
妻に子がありひらがな書き飛ぶ花虻あり/磯貝碧蹄館
ひら仮名のかなかな啼かせ幼年のかはたれどきの海彦いづこ/辺見じゅん