沙漠に関連した俳句の例をまとめました。
沙漠を含む俳句例
蝙蝠や沙漠に銀の飛翔線/加藤知世子
熔岩の原を沙漠の秋の蝶/保田白帆子
父の日や書斎の沙漠写真集/塩見恵介
渺々と沙漠のはてや月一つ/正岡子規
炎天を照り返したる沙漠哉/正岡子規
夜の沙漠に夏灯が綴る幾何図形/林翔
月に酌む沙漠の民のひと屯/山田弘子
たゞ沙漠なりし眺めに蜃気楼/桑田青虎
沙漠炎え揺らぐ日の出に眼痛む幸/林翔
沙漠越すひと日百合揺す食堂車/有働亨
登山でもゴビ沙漠でも大丈夫/櫂未知子
夏の月義眼沙漠の翳をひく/小松崎爽青
鷹一羽舞ひて茫漠たる沙漠/吉良比呂武
風沙漠頭蓋を離れゆく骨ら/小檜山繁子
夏の日は沙漠の天を匍ひまはる/有働亨
夏蝶は沙漠の影に入らず舞ふ/仙田洋子
夕焼褪め沙漠は東より昏るる/奥田智久
夾竹桃咲けば華やぎ沙漠町/吉良比呂武
日に焼けて沙漠の民ら何思ふ/下村梅子
月光に沙漠は襞を生みにけり/山田弘子
俳句例:21句目～
まろび草駆けて涯なき沙漠道/吉良比呂武
卓の百合夜となる沙漠やすらへる/有働亨
灼けつくす沙漠の月は色なさず/石原舟月
強東風にけぶれる沙漠車駆る/吉良比呂武
舞ふや失せ沙漠の果の蜃気楼/加藤知世子
沙漠銀河吾が持ち時間あと幾許/高須ちゑ
行く程に消えぬ沙漠の蜃気楼/吉良比呂武
開拓を待ちゐる沙漠花ユッカ/吉良比呂武
雲の傘ありて沙漠路暑からず/吉良比呂武
沙漠風吹き来て羅府の秋暑し/吉良比呂武
まるまると陽を吸ひ落す沙漠かな/横光利一
ユッカ咲き沙漠の日暮れ怪しけれ/平田縫子
悔いまだかうかうとして月沙漠/河野多希女
燐寸摺りてゴビの沙漠の虫を見き/加藤楸邨
ガラスのコップ沙漠をよぎる影/富澤赤黄男
沙漠草なし獅子ゆうゆうと雲の峯/正岡子規
糞ころがしに沙漠の太陽顔を持つ/加藤楸邨
吾にとどかぬ沙漠で靴を縫ふ妻よ/佐藤鬼房
行き行けど日永の沙漠続くのみ/吉良比呂武
わが影のたちまち冷ゆる灼け沙漠/伊藤いと子
俳句例:41句目～
炎日やどこかきらりと沙漠の目/加藤楸邨「死の塔」
汝、山河、濡れたる麻薬死にみちてたづねる沙漠/高柳重信
