旅(行)鞄に関連した俳句の例をまとめました。
旅(行)鞄を含む俳句例
赤潮や旅鞄置く石磧/上野泰
御僧に軽かれ春の旅鞄/岩田由美
六甲の夜寒に備ふ旅鞄/河野美奇
旅鞄宿に預けて磯遊び/佐藤千恵
涼風に薬をさがす旅鞄/飯田龍太
文月や眠剤容るる旅鞄/根岸善雄
牧水忌油塗り込む旅鞄/浅場英彦
薫風に大きく開く旅鞄/寺井満穂
盆の果てつまづきさそふ旅鞄/原裕
短夜や喪服しのばす旅鞄/能勢俊子
芝踏まずゆく白昼の旅鞄/対馬康子
花菖蒲ぢかに地に置く旅鞄/飴山實
旅鞄おけばつういと茅花かな/風生
花見んと花屑に置く旅鞄/黛まどか
行年や我家に安き旅鞄/楠目橙黄子
三月尽人それぞれの旅鞄/大橋通男
初夏や虚子に柳の旅鞄/藤田あけ烏
風花や弔辞ひそめし旅鞄/大島民郎
鳥も巣を急げり吾に旅鞄/島谷征良
鴨渡る鍵も小さき旅鞄/中村草田男
俳句例:21句目~
麦秋の里の香残る旅鞄/山田美知子
旅鞄雪に降ろせば錨めく/西村和子
床の間に置きて良夜の旅鞄/轡田進
旅鞄ほどけばあふれ花衣/稲畑汀子
朝寒の穴ぼこのごと旅鞄/内田美紗
旅鞄駅に預けて墓参かな/阿部一甫
九年母を入れて匂へり旅鞄/矢田邦子
お気入アロハ押し込む旅鞄/高澤良一
蝦夷野菊吹かれて妻の旅鞄/小林康治
若葉道ころがしてゆく旅鞄/高間礼子
旅鞄さげて出仕や御忌の僧/風間八桂
旅鞄小さく軽し秋の蝶/阿部みどり女
花冷えの旅鞄足袋加へけり/近藤一鴻
初蝉やうす黴出でし旅鞄/島村元句集
半島の旅行鞄の夜明けかな/橋本輝久
受験子にふくらみ大き旅鞄/谷中隆子
国東の木の実をひろふ旅鞄/池内淳子
夜の雪旅鞄より傘を出す/山口超心鬼
炎昼のふくらみすぎし旅鞄/飯田蛇笏
新涼の地に置く小さき旅鞄/角川春樹
俳句例:41句目~
旅鞄開けて着なれし古浴衣/高浜虚子
秋の日に炒られて膝の旅鞄/川崎展宏
旅鞄あけて扇を出しにけり/野村泊月
旅鞄いだき会式の青比丘尼/江口竹亭
旅鞄おきてぬぎたる花衣/長田美智子
行く年や薬ひそます旅鞄/石田あき子
鳥雲に子等にも持たす旅鞄/西村和子
朝寒の身に引き寄せて旅鞄/千原草之
短夜の草に置くなり旅鞄/大峯あきら
黄金週間緑雨に濡らす旅鞄/大江博子
旅カバン一杯の秋持ち帰る/森下増子
あてもなく買ふ七月の旅鞄/渡邊千枝子
秋の灯に詰め替えてゐる旅鞄/高澤良一
竜の玉旅鞄よりこぼれ出づ/山崎ひさを
胡桃買って少し嵩ます旅鞄/沢田しげ子
涅槃図やしづかにおろす旅鞄/黒田杏子
木の葉髪いつか身に添ふ旅鞄/黒田杏子
蓋あけて干す旅鞄立夏なり/三部斗志夫
ほぎごとの白足袋も入れ旅鞄/柴田只管
牡丹のほむら飛びつく旅鞄/稲垣きくの
俳句例:61句目~
露の夜のかなしく軽き旅鞄/石田あき子
春雷やととのへいそぐ旅鞄/成瀬桜桃子
病室のとなり余寒の旅鞄/阿部みどり女
鳥雲に入りてヘルンの旅鞄/大峯あきら
グラナダの冬の夜景よ旅鞄/島田富美子
旅鞄「恨の文化論」暑に残し/菊池志乃
旅鞄さげて見て居る柳絮かな/野村泊月
旅鞄よりこぼれ落つ土筆かな/山田弘子
旅鞄傷だらけにて紅葉に酔ふ/細見綾子
鴨渡る鍵も小さき旅カバン/中村草田男
さりげなく梅雨封じ込む旅鞄/小泉八重子
旅行鞄の金具が光る山は黎明/栗林一石路
旅鞄振れば飛鳥の木の実落つ/鈴木あき子
旅鞄に冬衣つめこみ能登に発つ/皆川盤水
旅鞄置かんからすのゑんどうに/西村和子
どんぐりを玩具にまぜて旅鞄/阿部みどり女
バレンタインデー旅鞄より何が出る/山田弘子