軍港に関連した俳句の例をまとめました。
軍港を含む俳句例
旧軍港直立の父傾ぐ母/齋藤愼爾
軍港のごとく白鳥遊弋す/三宅草木
軍港の黄昏水仙と鉄匂う/伊丹公子
鰡跳ねて旧軍港の昼寂と/青木重行
嘶きや旧軍港に日は落ちて/攝津幸彦
秋暑き軍港の名の還るなり/石川桂郎
軍港の兵の愁ひに深雪晴れ/飯田蛇笏
軍港の眠りが足らぬ月見草/川辺幸一
下車前途無効余寒の軍港に/戸塚時不知
人形浮き冬の軍港とぞ思ふ/秋元不死男
住み古りていまも軍港藤咲けり/下田稔
旧軍港浮寝の鳥もなかりけり/高澤良一
朽ちて明るい旧軍港に蜜柑抛る/穴井太
桐咲いて喪の貌が行く旧軍港/河野南畦
腐り藻を深く沈めて雨の軍港/江里昭彦
蜜柑浮く旧軍港の潮満ちて/殿村菟絲子
軍港や音たてて飛ぶかぶと虫/加藤憲曠
ゼリーやや歯応えありし旧軍港/水島洋一
七月軍港帰還の唾を海へとばす/皆川白陀
潮まねき軍港の名の浜に消え/米沢吾亦紅
俳句例:21句目~
軍港が見えて撥ねゐる小鳥罠/米沢吾亦紅
軍港と呼びし世のあり手鞠唄/立石せつこ
軍港へ貨車の影ゆく犬ふぐり/秋元不死男
軍港をあぶり出したる焚火かな/中村和弘
かりがねや軍港かくす貨車の胴/秋元不死男
軍港にはらりとかかるうろこ雲/蓬田紀枝子
軍港まで駈けておとうとはよしきり/筑網敦子
軍港に子規の句碑あり敗戦を知らざれば波あたたかく詠む/古吉義彦