塔婆に関連した俳句の例をまとめました。
塔婆を含む俳句例
岩船の塔婆襖や雁渡し/落合水尾
角塔婆盆の海より寄す白波/林火
草花やはしりがきする水塔婆/茅舎
お塔婆を持ちて初音の磴上る/星野椿
土塔婆の罅に雨ふる菫かな/吉田紫乃
接骨木の花新しき塔婆建つ/後藤春翠
眼と精神鯰を塔婆で扼へる手/竹中宏
空蝉や爪立て易き朽塔婆/松岡美代子
ふりむけば塔婆と昃る烏の子/長谷川双
僧ひとり塔婆焚きゐる虎が雨/神谷節子
古塔婆立てかけてあり花の幹/行方克己
塔婆煽つ風に外套脱ぎにけり/渡辺水巴
彼岸荒れ塔婆に塔婆応へゐて/高澤良一
春は未だ浅く塔婆の前のめり/高澤良一
書して劃崩さず盆の枌塔婆/加倉井秋を
竹の子の塔婆の丈に身を正す/古舘曹人
路薙ぎの火に投げ入れる古塔婆/浅川正
逝く年の生木仕立の塔婆かな/茨木和生
達谷宙遊居士の塔婆を蟻上下/川崎展宏
倒れゐし塔婆起こして雪解かな/浜喜久美
俳句例:21句目~
塔婆焚き雪解の杉を暗くのばす/桜井博道
花吹雪塔婆の丈のやつれけり/大木あまり
ひるがほの渦巻いてゐる板塔婆/佐々木六戈
何業をして老いしかと塔婆の眼/伊丹三樹彦
叉木塔婆ゆつくり遊行かたつむり/中戸川朝人
墨うすき塔婆ながるゝ施餓鬼かな/大橋櫻坡子
重ね塔婆白し余寒の眼にのこる/阿部みどり女