夕刊に関連した俳句の例をまとめました。
夕刊を含む俳句例
夕日に夕刊がきた/山頭火
夕刊が早く来てゐる雛の日/綾子
夕刊に世相険しや冬灯/吉屋信子
夕刊の届く時間よ花卯木/星野椿
病室に夕刊とどく漱石忌/中村明子
法悦の蝉夕刊のとどく刻/中山純子
新鮮な夕刊を買ふ風の中/日野草城
夕刊の早卓にあり日脚のぶ/上野泰
夕刊のなき信州の大夕焼/茨木和生
夕刊のインクの中の福禄寿/曾根毅
夕刊のコラム彩る蕗の薹/大岩光代
夕刊を売る童とありぬ慈善鍋/篠原
夕刊の小説了る守宮かな/小川軽舟
夕刊がくるペン皿に繭一つ/菅原鬨也
夕刊の束投ぐ雷雨熄みし駅/右城暮石
夕刊の鈴より都霧のわくごとき/篠原
夕刊が濡れて届きし巴里祭/川崎展宏
妻の胼偸む夕刊ひろげては/皆川白陀
奈良坂に夕刊遅し月の鴟尾/桂樟蹊子
夕刊で払ふまくなぎ厨口/渡辺たか子
俳句例:21句目~
夕刊一紙蜩と来て遂に暮る/石塚友二
雪晴れ夕刊たたんでゐる/栗林一石路
夕刊に音たてて落つ梨の汁/脇屋善之
夕刊のあとにゆふぐれ立葵/友岡子郷
夕刊を開けば落花一二片/片山由美子
雨寒き夕刊ひらふ燕鳴く/金尾梅の門
遅れ来し雪の夕刊濃く匂ふ/佐藤恭治
講書始の記事夕刊の上欄に/西山惟空
短日の夕刊売にあまたの手/山本歩禅
夕刊一紙蜩と来て正に暮る/石塚友二
水になる夕刊/食卓で傾く/星永文夫
夕刊も手紙も無き日寒戻る/松田淳子
ばら垣に郵便がくる夕刊くる/石黒和子
夕刊が日を載せて来る草の花/鈴木鷹夫
夕刊が来て終りとす草むしり/橋本風車
夕刊の西日の匂ひ胸におく/千代田葛彦
冬の虹うちへ夕刊つきささる/瀬間陽子
夕刊をしごきしごきて桜散る/細見綾子
夕刊は手に白百合は庭にあり/高木晴子
夕刊配り艀の寒き灯にも来て/手島靖一
俳句例:41句目~
春が来る野や夕刊を配り余し/平畑静塔
春泥や夕刊飛んで地に落ちず/前田普羅
汚染を包んで濡れる夕刊紙/国武十六夜
涼しさの風の藪より夕刊来る/鈴木鷹夫
空蝉を包む夕刊が遅れてゐる/攝津幸彦
花の夕刊谿橋わたり配らるる/宮武寒々
夕刊におさへて殺す百足虫の子/富安風生
夕刊配りは雪の蝙蝠軒から軒/千代田葛彦
夜なべ終へ夕刊ざつと目を通す/高橋笛美
夕刊くる頃/狸くる頃/藪柑子/浦野菜摘
埋火に夕刊その他つねのごと/篠田悌二郎
夕刊の寒さ六林男を逝かしめき/藤田湘子
夕刊を夜更けて取りに出て四日/鷹羽狩行
土間夕焼じやが藷の山夕刊のせ/椎木嶋舎
夕刊を読み尽しけり菜種梅雨/岩淵喜代子
兄亡くて夕刊が来る濃紫陽花/正木ゆう子
夕刊を読む秋の灯をともしけり/吉屋信子
夕刊の投げこまれたる繭の山/米沢吾亦紅
ただならぬ事件の夕刊大みみず/水野健太
雛の間に投げ込まれたる夕刊よ/岸本尚毅
俳句例:61句目~
青枇杷や夕刊が来る路次の幅/大峯あきら
夕刊をとりて山椒の芽をとりて/高野富士子
夕刊つく駅や秋桑立つばかり/長谷川かな女
浮浪児や凍てし夕刊はしやぎ売る/原田種茅
夕刊のすでにでゝをり花の昼/久保田万太郎
雨が傷めた少年の肩突込む夕刊/林田紀音夫
おでんの湯気忙しげ夕刊折る音に/香西照雄
たらの芽の苦みをつつむ夕刊紙/射場ツヤ子
束ね髪のこんな人生へ早い夕刊が届く/鈴木常子
ビラの墨がまだ乾かない雪の夕刊売/栗林一石路
きたない子とされて夕刊売つてゐる/栗林一石路
銀座八丁つきてアカハタ及び夕刊買う/橋本夢道
どれにも日本が正しくて夕刊がばたばたたたまれてゆく/栗林一石路