駱駝に関連した俳句の例をまとめました。
駱駝を含む俳句例
駱駝歩む先は浄土か朧月/松本旭
父逝くは悔し夕空を駱駝/瀬戸密
夕凪や瘤太りだす駱駝像/加藤三陽
夕焼の雲より駱駝あふれ来つ/楸邨
極寒の駱駝に風の殺到す/原けんじ
難民の駱駝秋風より高し/片山桃史
熱沙ゆく無限X駱駝の脚/小檜山繁子
天上に颶風童女を載せ駱駝/片山桃史
駱駝負ふ都会の砂漠花曇り/渡辺恭子
熱帯夜天降る駱駝と異邦人/白石司子
初夢の駱駝ぬけゆく針の穴/小室善弘
人間を見ている駱駝夏休み/森田智子
黄沙降る夕日駱駝の腫れ瞼/佐野美智
全き水平駱駝が運ぶわが骸/山田穣二
新綿や駱駝連ねて運ぶとは/野村喜舟
黄塵の空に駱駝が首伸ばす/小野麦村
刈草を積むも駱駝の瘤の谷/山本歩禅
駱駝坐す春泥の峰二つ乗せ/渡辺恭子
北に入る駱駝の跡や砂の霜/会津八一
秋の蝶飛び駱駝ゆく街の中/五十嵐播水
俳句例:21句目~
ながしめす駱駝に旅の遅日光/飯田蛇笏
陽炎に駱駝の歩く甲斐なけれ/平畑静塔
霧迅き市や駱駝の殖えゆきつ/小池文子
ゴビを行く人も駱駝も夕焼す/下村梅子
首ふつて弾み歩きの灼け駱駝/鷹羽狩行
駱駝いま運ぶ屍の日蔭持つ/小檜山繁子
駱駝より降りて握手や棉の秋/安田北湖
冬の日に駱駝の鼻先白っぽく/高澤良一
二瘤駱駝ながなが尿る初仕事/渡辺恭子
土用浪砂丘駱駝を友とせず/百合山羽公
夏疲れ駱駝が膝を折るやうに/茨木和生
夏負けて駱駝の列を見送りぬ/藺草慶子
愛されず冬の駱駝を見て帰る/清水哲男
月明の帰化城に入る駱駝かな/加藤秋邨
砂漠には壺を抱きて寝る駱駝/対馬康子
目隠しをされた駱駝が炎天下/小西昭夫
晩秋の日本に駱駝老いにけり/小泉八重子
泣きながら駱駝のわたる天の川/小西昭夫
暖かや首のべて駱駝うづくまる/臼田亞浪
山裾に日はさめやすし駱駝薯/小田つる女
俳句例:41句目~
メリケン粉積んで奥地へ駱駝橇/田村了咲
仮幻忌の海市を追ふや駱駝の背/白井眞貫
春の山駱駝のごとくならびけり/室生犀星
駱駝またたかず瞼の蝿にさへ/宗像夕野火
駱駝の背高し秋天また高し/佐土井智津子
秋深む駱駝はまぶたばかりなり/柿本多映
駱駝が啼く釣瓶落しと思ひけり/松山足羽
集めたる駱駝の陰や馭者昼寝/鷲澤喜美子
荷風忌を駱駝に乗りて遊びけり/有馬朗人
まなうらに駱駝の現るる日向ぼこ/高澤良一
黒南風やふいに駱駝の微笑せる/殿村莵絲子
罪のごとく瘤負つて駱駝緑蔭に/田川飛旅子
長き長き梅雨雌駱駝のすわりだこ/香西照雄
春の山らくだのごとくならびけり/室生犀星
睫毛濃き駱駝に揺られこどもの日/吉原文音
駱駝ねて黍の穂噛めりとある門/五十嵐播水
砂丘の客駱駝に仁義きりぎりす/百合山羽公
何といふ脚下はるかぞ駱駝照る/中村草田男
駱駝の睫毛春の失意を乗せましょか/五島エミ
月の夜に駱駝のアキレス腱スープ/上田日差子
俳句例:61句目~
秋の日が墜ちる駱駝はかんがへる/富澤赤黄男
デイゴ咲く園に生まれて駱駝の子/伊藤いと子
冬の木の駱駝のやうにありにけり/今井杏太郎
駱駝に乗れば夕焼紅蓮のピラミッド/石原八束
いみじくも補陀落という駱駝かな/渡辺誠一郎
客待ちの駱駝にアカシア散りかかる/刑部賢次郎
春浅き砂丘に立ちて人を待つ駱駝の背の紅き鞍掛/昌子明
新しきとしのひかりの檻に射し象や駱駝はなにおもふらむ/宮柊二
絵本に示す駱駝の瘤を子が問へば母はかなしむその瘤のこと/中城ふみ子
ゆらゆらと瘤揺る駱駝をりをりに細きひとりの目をあげてをり/初井しづ枝