山の子に関連した俳句の例をまとめました。
山の子を含む俳句例
山の子のひとり遊びや甲虫/原勲
山の子の制服の紺冬苺/黒川礼子
山の子は山の入日に懐手/福田蓼汀
山の子の丁寧に掘る汐干狩/小林武
山の子が両手に握る初蕨/横尾孝子
山の子の大き長靴稲運ぶ/井上久枝
山の子に樗の花の小学校/細川加賀
瓜坊も来よ山の子の祭笛/永島靖子
山の子を従へ来たる漆掻き/萩原麦草
山の子は棒持ち歩き馬の市/中島畦雨
山の子の目鼻涼しき踊かな/橋本榮治
山の子と馬の仔遊ぶ手鞠花/花村愛子
綿入や山祗祀る山の子ら/金尾梅の門
山の子が荷台にあふれ初笑/田島和生
山の子に筍堀りと言う授業/三浦恒子
山の子の声みどりなる夏隣/小坂優美子
うら山の子狐鳴ける干菜風呂/内田雅子
山の子の応へすげなし初蕨/三田きえ子
山の子の猿にも似て通草とる/大橋敦子
山の子の遊んでゐたり朴の花/大石悦子
俳句例:21句目~
山の子の風聴き分けぬ黄連雀/中西夕紀
山の子は藪騒親し通草採り/米澤吾亦紅
山の子や羽子ついて空すぐ近し/大串章
山の子が盆過ぎし空眺めゐる/林原耒井
帰らざる山の子呼べば流れ星/福田蓼汀
正座して山の子が葺く花御堂/中村陽子
山の子が雪に筋つけ遊びゐし/長谷川双
残雪を噛んで草つむ山の子よ/飯田蛇笏
山の子と繭玉吊りて教師なり/和田和子
山の子が提げて静かな寒の鯉/稲垣晩童
山の子に初花といふ山葵かな/萩原麦草
炭山の子の別れにもらふ甲虫/小原良枝
聡き耳持つ山の子の雪うさぎ/首藤基澄
蔓梅擬山彦つれて山の子ら/古賀まり子
山の子のいつもひとりで雨蛙/中村汀女
騒乱に山の子混じる生きる山桜/阿部完市
草擦つてゆく山の子に祭来る/山上樹実雄
山の子のままごと椎の実を並べ/松井貴子
山の子の湯気の子となり雪遊び/鈴木酔子
町の子に山の子が取る通草かな/川口利夫
俳句例:41句目~
山の子に翅きしきしと夏の蝶/秋元不死男
玄圃梨くれて山の子もうゐない/山田弘子
山の子の脱兎のごとし雑木の芽/永方裕子
山の子が見せてくれたる花うぐひ/小島健
山の子は桃にほはせて食ひけり/高橋馬相
山の子に夜学教へて住みつきぬ/木村蕪城
汽笛知らぬ山の子の村煙草干す/清水清山
山の子の乗りて洗へる障子かな/河野静雲
山の子の風切る遊び馬酔木咲く/橋本榮治
葉桜や山の子の髪揺れて止む/蓬田紀枝子
山の子の径に出てゐる幟かな/米沢吾亦紅
山の子とひとつ灯にある夜は長し/木村蕪城
山の子のヴアヰオリン蛇眠りけり/萩原麦草
山の子の持てる燈りや月の道/阿部みどり女
山の子ら霧のプールに声をあぐ/石橋辰之助
山の子の井筒にあそぶ雪解かな/佐々木有風
山の子に獅子の遠笛やるせなや/長谷川素逝
山の子の遊び暮れたり花たばこ/小田切輝雄
すこやかに山の子酔へる榾火かな/飯田蛇笏
めはじきや山の子花となり嫁ぐ/市村究一郎
俳句例:61句目~
山の子に待たれて橡の実の落つる/水田のぶほ
山の子が荷物持ち呉れ萩がくれ/阿部みどり女
山の子が独楽をつくるよ冬が来る/橋本多佳子
山の子が啖べてにほはす柚の実かな/飯田蛇笏
山の子の一里鳩吹く下校かな/佐佐木としまさ
この秋も行くと山の子に積むケルン/福田蓼汀
山の子の羽子をつきゐる独りかな/由水しげる
山の子に星もキャベツも蹴れとばかり/篠田悦子
夏深しバット素振りの山の子に/飯島晴子「儚々」
あけびの木花咲く山の子愛馬進軍歌/安斎櫻カイ子
山の子の夏沸瘡白粉はたきたる/滝沢伊代次「鉄砲蟲」