声音に関連した俳句の例をまとめました。
声音を含む俳句例
喧嘩する声音笑はん百千鳥/浮生
喪の旅雨今甦る氏の声音/楠本憲吉
木蓮や母の声音の若さ憂し/草間時彦
秋淋し人の声音のサキソホン/杉本零
けさ秋や母の声音の風切つて/清水基吉
土壇場の蝉の声音と思ひけり/高澤良一
能面のとほき声音も露けしや/西村和子
臘八の旦峨々たる声音かな/河東碧梧桐
遠き声音近き言葉や夏近づく/成田千空
飴舐ぶる声音日雇梅雨こもる/岩田昌寿
うき猫をくどく声音や屋根の上/正岡子規
この雪に昨日はありし声音かな/前田普羅
わが声音母より承けし沙羅の花/鈴木貞雄
ジプシーの嘆きの声音朧裂く/文挟夫佐恵
囮鳴くひとの声音の優しさに/久保千恵子
水に墜つ藤の声音のむらさきに/高澤晶子
水仙剪る君の声音を受けて起つ/岩田昌寿
通草の花訛れる声音ききとれず/原田種茅
雁の濡るる声音や日記閉づ/阿部みどり女
いたつきの声音のとほる秋ざくら/石原舟月
俳句例:21句目~
亀鳴いてそは哲学的な声音かな/小林しづ子
熱かんをすすむるときの汝が声音/高澤良一
癌の兄声音しずかに受話器を来る/西東三鬼
業平忌老いの声音のさわやかに/久保田万太郎