光陰に関連した俳句の例をまとめました。
光陰を含む俳句例
三椏の花に光陰流れ出す/森澄雄
三椏の花の光陰流れ出す/森澄雄
光陰のやがて淡墨桜かな/岸田稚
光陰の七分咲き弥生尽/落合冬至
光陰の節目は暗し落椿/齋藤愼爾
聖壇の光陰へだつ蝉時雨/橋本榮治
笹原に光陰流れ青あらし/伊藤敬子
寒巌に光陰刻み月わたる/齋藤愼爾
恙なく過ぎし光陰枯芙蓉/武田光子
光陰と土に鎮まる蟻地獄/飯田蛇笏
烏瓜垂る光陰を思ひをり/館岡沙緻
光陰の束をとらへし白昼夢/谷芙蓉
光陰は竹の一節蝸牛/阿部みどり女
松過の又も光陰矢の如く/高浜虚子
藁屋根にある光陰や青楓/岡本差知子
穀象の光陰わかずひた走る/岩田昌寿
光陰に句読点なし夜の蟻/米澤吾亦紅
百菊の百の光陰まぶしけれ/倉田紘文
動き初む光陰既に牡丹の芽/辻口静夫
光陰のやがて薄墨桜かな/宇佐美魚目
俳句例:21句目~
光陰の流るる音に昼寝覚/野見山朱鳥
此石に秋の光陰矢のごとし/川端茅舎
枯菊を焚く光陰を火種とし/村本畔秀
松過ぎの又も光陰矢の如く/高浜虚子
夕顔のひらく光陰徐かなり/石田波郷
樹のよはひ石の光陰枯深し/池田幸利
雛飾る光陰吾を置きざりに/大橋敦子
一子得て光陰密につばめ来る/中村明子
光陰のながれてをりぬ繭の中/鈴木貞雄
光陰は待たず鞦韆強く蹴る/松本あい子
光陰や深沈と水巴忌前後過ぐ/斎藤空華
光陰や花眼にけぶる毒きのこ/川本洋栄
光陰をほづえにわする冬の鵙/飯田蛇笏
光陰矢の如き簾捲きにけり/鈴木真砂女
墓とわが間雪の光陰ありしのみ/岸田稚
年ゆくや光陰つねに弾指の間/橋本鶏二
初蝶の流れ光陰流れけり/阿部みどり女
方位なく光陰とどまり冬木立/福田蓼汀
日向ぼこして光陰を惜みをり/後藤夜半
枇杷の花ちる光陰の水明り/ほんだゆき
俳句例:41句目~
林檎甘し酸し光陰はただ迅し/成田千空
枯菊の鉢に光陰矢のごとし/五十嵐播水
極月の光陰たゝみかけてくる/小島隆保
熟柿落ち光陰人を振りむかず/岡野洞之
葛水や光陰ゆらぎつゝ過ぐる/斎藤空華
竹皮をぬぐ光陰もうとまれぬ/小林康治
竹皮を脱ぐ光陰もうとまれぬ/小林康治
若布干す千の光陰ゆらめけり/勝見玲子
蚊の声の一光陰をけみしたり/斎藤空華
蝶掠めしのみの光陰算ふべし/小林康治
蟻地獄見て光陰をすごしけり/川端茅舎
たそがれは光陰にじむ水中花/森沢一行
露一と粒の光陰石を噛む根株/成田千空
光陰のかくもやはらか枯木山/中尾寿美子
松過ぎといふ光陰を惜みけり/深見けん二
山梔子の蛾に光陰がたゞよへる/飯田蛇笏
秋風や地に光陰のあともなし/野見山朱鳥
おくれ毛に春の光陰闌けにけり/野澤節子
光陰の矢の折れし野の乳母車/増田まさみ
光陰のひそむ枯野をなに急くや/小林康治
俳句例:61句目~
阿の口に牡丹の光陰見ゆるかな/古舘曹人
日傘置く洞の光陰なきところ/赤松ケイ子
田を刈つて光陰滝のごときかな/平井照敏
万機光陰ヲ脱スベシ/青猫ノ受胎/夏石番矢
古希過ぎの光陰螻蛄の鳴くに似て/澤田緑生
すみれ束解くや光陰こぼれ落つ/鍵和田釉子
老い初めし光陰たふとしや炭掴む/栗生純夫
ががんぼが我が光陰に影ひけり/米澤吾亦紅
蜥蜴出で光陰をやはらかにせり/伊丹さち子
風鈴の古りし光蔭吾が歴たり/竹下しづの女
夢寐の間も光陰のうちきりぎりす/上田五千石
落花霏々この光陰を埋めつくす/野見山ひふみ
光陰を一カツプづつチユーリツプ/赤松ケイ子