生けるに関連した俳句の例をまとめました。
生けるを含む俳句例
晩霜や生ける屍が妻叱る/草城
国栖奏の贄とし生ける赤蛙/大野素郎
炎天下生ける者には黒き影/山畑緑郎
牡蠣の実の粒粒生ける盛り上り/誓子
秋蛍生ける証の火をともす/斎藤丹岳
露涼し形あるもの皆生ける/村上鬼城
寒柝に合せて生ける肌たたく/西東三鬼
己れ生ける化石と知らず山椒/福田蓼汀
正月の白き餅まだ生ける餅/百合山羽公
鉤うつて生けるを示す鱧三尺/青木月斗
昼深く生ける白をすすり食ぶ/五所平之助
生ける者さざめき通る万灯会/富田かづを
百日紅生ける限りの喧嘩鶏/鍵和田ゆう子
蓬莱や生きとし生ける歯牙の数/三橋敏雄
黒き山生きとし生ける物の手に/攝津幸彦
生きとし生ける母へ蚕豆賜れり/丸木美津子
生ける蝦蛄茹でたる蝦蛄に水とばす/小澤實
畦を塗る生ける田螺を塗り込めて/塩川雄三
石よりも地よりも生ける蝸牛冷ゆ/橋本多佳子
紅梅生けるをみなの膝のうつくしき/室生犀星
俳句例:21句目~
夜のテレビに生ける久女や露寒し/長谷川かな女
すつぽりと毛帽を冠る生ける頭蓋を感じ/安斎櫻カイ子
生ける蛾をこめて捨てたる紙つぶて花の形に朝ひらきをり/森岡貞香