俳句例:201句目～
砧女やうしろの人を知らでありし/西山泊雲
さむしろや月に砧の座ごしらへ/高橋淡路女
うきことを身一つに泣く砧かな/高橋淡路女
砧打つ大きな土間のくらがりに/嵯峨崎呑月
あはれまむ砧の音と聞き做して/相生垣瓜人
あかつきの砧の音もなかりけり/楠目橙黄子
雲飛んで砧せはしき夜となりぬ/芥川龍之介
夫帰るまでは此児死なさじ小夜砧/野村泊月
揚屋うらの小夜砧太祗ねてありや/中川四明
仲のよきわるき砧のふたりかな/久保田万太郎
がちやがちやの湧き立つ砧町を過ぐ/原田青児
お屋敷でうつとおもほゆ砧かな/久保田万太郎
おもひあまり恋ふる名をうつ砧かな/上島鬼貫
いとはるゝ身を打更けし砧かな/久保田万太郎
生柴をちよろちよろさせて砧かな/美濃-千川
砧うしろとなりし夜の道月に浮きぬ/西村公鳳
砧打てばカンテラの灯のまたゝきぬ/寺田寅彦
砧うつほとりにあるはとなりの子/軽部烏帽子
髢吊して今日も砧のあろじかな/竹下しづの女
月の野をゆく汽車あきらかに砧うつ/金尾梅の門
俳句例:221句目～
枯れてゆく山にこだまして砧うつなり/山本木天蓼
わら砧暁さめやすき枕上/『定本石橋秀野句文集』
都出てもはやかなしき砧かな/京-和及/元禄百人一句
芦の屋の灯ゆりこむ砧かな/江戸-立志/元禄百人一句
小夜砧妹が茶の子の大きさよ/一茶/文化十二年乙亥
