「菊枕」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「菊枕」について
【表記】菊枕
【読み方】きくまくら/きくちん
【ローマ字読み】kikumakura
子季語・関連季語・傍題・類語など
・菊の枕(きくのまくら:kikunomakura)
–
季節による分類
・「き」で始まる秋の季語
・「秋の生活」を表す季語
・「晩秋」に分類される季語
月ごとの分類
菊枕を含む俳句例
点滴の音なき音や菊枕/新純子
余生又美しからん菊枕/下村非文
身の丈の髪の昔や菊枕/鷹羽狩行
俳諧に命あづけて菊枕/伊藤柏翠
叡山を下りて今宵の菊枕/星野椿
夢淡き齢となれり菊枕/鷹野清子
明日よりは病忘れて菊枕/高浜虚子
金輪際嫌ひと言ひし菊枕/山田弘子
欲しきもの久女の作る菊枕/神蔵器
遠く住む母と揃ひの菊枕/大島民郎
ちなみぬふ陶淵明の菊枕/杉田久女
此の千代を今日の馳走よ菊枕/季吟
死支度忘れがちなり菊枕/近藤一鴻
濤激すまま夜明けたり菊枕/岡本眸
妻が借り子が借り母の菊枕/福島胖
菊枕貰うて病軽ろかりし/高濱年尾
菊枕知らず黍殻枕敷く/百合山羽公
愛蔵す東籬の詩あり菊枕/杉田久女
戦死には枕無かりし菊枕/吉田汀史
菊枕二つ重ねて夢もなし/手塚美佐
俳句例:21句目~
菊慈童の思ひに菊の枕かな/青木月斗
これよりは菊の酒また菊枕/山口青邨
みちのくの黄菊ばかりの菊枕/瀧春一
三椏が咲いてきのふの菊枕/手塚美佐
好み縫ふ房は水いろ菊枕/高橋淡路女
妻のまま盲となりぬ菊枕/宇多喜代子
寝返れば醒めれば匂ふ菊枕/土居牛欣
年寄りし姉妹となりぬ菊枕/星野立子
明日あるを信じて憩ふ菊枕/八木綾子
立子より送りくれたる菊枕/高浜年尾
竜宮の夢より覚めて菊枕/すずき春雪
菊枕かくて老いゆく人の幸/高濱年尾
菊枕一願こめて縫ひ急ぐ/三谷蘭の秋
菊枕北に廻して死後の景/中戸川朝人
菊枕古りてことしの菊月夜/大島民郎
野に摘みし菊も少しや菊枕/橋本鶏二
魂と魄といずれ選びぬ菊枕/寺井谷子
世を忘れ菊の枕に沈みゐる/橋田憲明
白妙の菊の枕をぬひ上げし/杉田久女
うすやみにまろ背の母の菊枕/佐川広治
俳句例:41句目~
菊枕作らん花の篭にあふれ/貫名/英子
菊枕ぐんぐん虧くる夜々の月/京極杜藻
菊枕南山の壽をさづからん/松尾いはほ
菊枕夢に続きといふことなし/藤谷令子
菊枕夢も通へるものとして/高田美恵女
菊枕はづしたるとき匂ひけり/大石悦子
菊枕干して吉野のよき日向/大峯あきら
菊枕心やつるるまじきかな/加藤三七子
生くるとは別るることや菊枕/倉田素香
生き延びて来しこと大事菊枕/後藤夜半
保育器の吾子にあてがふ菊枕/小橋里水
ささくれの沁みる今宵の菊枕/高木喬一
菊枕山に音なき日なりけり/山田三四郎
菊枕ゆめにも呉れぬ仮寝覚め/石川桂郎
当てゝみる菊の枕の匂ひかな/松藤夏山
菊枕ゆらりと島の浮いて来し/永末恵子
菊枕かるくたたいて夢違へ/櫛原希伊子
贈呈の菊の枕の菊を摘む/打出/たけを
菊枕なりし寝返りするときに/田畑美穂女
菊枕ひと夜のくぼみありにけり/佐藤博美
俳句例:61句目~
はなれじときのふの菊の枕かな/山口素堂
誰がためにつくらんとする菊枕/高橋淡路女
うつり香のうなじにほのと菊枕/高橋淡路女
神無月/妻のまま盲となりぬ菊枕/宇多喜代子