「敬老の日」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「敬老の日」について
【表記】敬老の日
【読み方】けいろうのひ
【ローマ字読み】keironohi
子季語・関連季語・傍題・類語など
・老人の日(ろうじんのひ:rojinnohi)
・年寄の日(としよりのひ:toshiyorinohi)
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季節による分類
・「け」で始まる秋の季語
・「秋の行事」を表す季語
・「仲秋」に分類される季語
月ごとの分類
敬老の日を含む俳句例
敬老の日や老樫に暗む家/瀧春一
敬老の日の給食の鮪鮨/巌谷小波
落雁の鶴亀並ぶ敬老日/種市清子
手枕のあと高枕敬老日/鳥居おさむ
衣被むく敬老の日の父と/皆川白陀
蕎麦殻の枕二つや敬老日/富田潮児
老人の日の節高き露の竹/小林康治
饅頭の片割れ包む敬老日/松山足羽
耳遠き母への便り敬老日/鈴木幸子
戦経て生きる達人敬老日/佐藤正一
敬老の日の近づくに耳掃除/村越化石
敬老の日や句敵はみな鬼籍/小路紫峡
流木に敬老の日の父母憩ふ/関森勝夫
敬老日水流れゆく大蛾あり/飯田龍太
とかとんと金槌振ふ敬老日/高澤良一
敬老日鯛の眼肉掬ひけり/黒田櫻の園
新栗に甘味やゝ添ふ敬老日/遠藤はつ
父の忌や敬老の日の母囲む/山田閏子
牛くさき腕のこの脈敬老日/三嶋隆英
似顔絵の大き眼鏡や敬老日/上田春日
俳句例:21句目~
町内の二百と五人の敬老日/高澤良一
反逆す敬老の日を出歩きて/大川俊江
口洞を何もて埋めん敬老日/香西照雄
敬老の日の卵黄に力あり/梶山千鶴子
着膨れて敬老の日の俄寒/水原秋櫻子
紙屑のほどくる音や敬老日/宮坂静生
隣より祝電の来し敬老の日/佐藤重子
雀来て敬老の日の雨あがり/吉田鴻司
毎日が老人の日の飯こぼす/清水基吉
敬老の日の砂浜に足とらる/伊藤白潮
老人の日の自祝かなむかご飯/及川貞
健やかさ確め合ふも敬老日/波多野惇子
すべり止め靴下を買ふ敬老日/乙武佳子
死線越えし話もありて敬老日/川村甚七
年寄の日と関はらずわが昼寝/石塚友二
敬老日とは煮小豆をことことと/及川貞
盲導犬共に祝がるる敬老日/小坂かしを
敬老の日のどの席に座らうか/吉田松籟
人を愛し愛されて生く敬老日/伊東宏晃
理髪椅子神父をのせて敬老日/朝倉和江
俳句例:41句目~
敬老日長寿の象が愛でらるる/塩路五郎
理髪屋の鏡のなかの敬老日/永井友二郎
和菓子屋の賑ひ続く敬老日/松尾千代子
売れ残る敬老の日の祝菓子/七田千代子
敬老の日の昼食の海老フライ/波切虹洋
髭剃つて敬老の日の顔を緊む/名取思郷
敬老の日の母の灯を二階かな/宮津昭彦
敬老の日やしづかなる酸性雨/鈴木伸一
敬老の日の焼津焼もやひ船/渡辺/照子
敬老の日の眉長き師にまみゆ/福永耕二
敬老の日とて灸を据ゑ呉るゝ/小畑一天
旅に出る敬老の日の姑置きて/稲畑汀子
敬老の日や青柿は熟れゆくのみ/瀧春一
老人の日といふ嫌な一日過ぐ/右城暮石
老人の日の父昏れてをりしかな/岸田稚
敬老日つねは忘れてゐし齢/長屋せい子
老人の日や晩燕の数ふえて/百合山羽公
老人の日よ晩学の書架貧し/馬場移山子
守りし子に守られ出づる敬老日/遠藤はつ
敬老といふ日の海を見にゆけり/長谷川双
俳句例:61句目~
敬老の日といふまこと淋しき日/中村春逸
敬老の日とて何祝ぐこともなし/石塚友二
敬老の日の座布団の寿の一字/山野辺歩考
敬老の日の菊活けてくれにけり/村上母人
敬老日猫の土足を拭いてゐし/鳥居おさむ
敬老日祝ぎ役にして祝がれ役/築城百々平
偸むごとし老人の日の休日は/八木林之助
敬老日の腰紐しかと結びけり/鈴木真砂女
神妙に敬老の日を過ごさばや/相生垣瓜人
敬老日ころっと忘れをりにけり/高澤良一
芙蓉白し敬老の日の老刀自に/下村ひろし
敬老の日芙蓉の空の濁れども/殿村莵絲子
敬老の日や母がりへ妻を遺る/広瀬河太郎
野の花をつば先に差し敬老日/岩波千代美
朱の椀にみづからを祝ぐ敬老日/松本美簾
ほろにがき酒老人の日なりけり/竹内輝行
どしやぶりの牧の真中や敬老日/折井眞琴
老人の日なり子供の日の如く/後藤比奈夫
よろこびに脆き母なり敬老日/古賀まり子
ジヤズを聴く指はづみをり敬老日/杉本寛
俳句例:81句目~
老人の日の髪梳いて貰ひけり/黒崎ヨシ子
古釘を伸ばしては打つ敬老日/松倉ゆずる
同じこと言ふに耳かす敬老日/黒坂紫陽子
老人の日飴でつられて祝はれぬ/川畑火川
敬老の日の菓子屋町抜けにけり/池田秀水
日もすがら山葵の根分け老人の日/沢木欣一
暮れそめし老人の日の菜をきざむ/荻野暁江
敬老の日なり徽章を附けにけり/相生垣瓜人
老杉の実のあをあをと敬老日/鍵和田ゆう子
老人の日の大きな鯉がとびあがる/生駒花秀
敬老の日のコーヒーのアメリカン/村本畔秀
おのが名に振り仮名つけて敬老日/長谷川双
敬老の一と日ざはざはして居たり/広谷春彦
患者より医者いたはられ敬老日/築城百々平
老人の日喪服作らむと妻が言へり/草間時彦
老人の日栗飯を媼はこび来し/長谷川かな女
敬老の日にも動ぜずなりにけり/相生垣瓜人
つづれさせ敬老の日も夜に入りし/百合山羽公
たどたどしき文字の文来る敬老日/堀田千鶴子
敬老の日とはせんなき日なりけり/手塚深志城