「風死す」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「風死す」について
【表記】風死す
【読み方】かぜしす
【ローマ字読み】kazeshisu
子季語・関連季語・傍題・類語など
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季節による分類
・「か」で始まる夏の季語
・「夏の天文」を表す季語
・「晩夏」に分類される季語
月ごとの分類
風死すを含む俳句例
風死すや大き柩の恐山/手塚美佐
風死なば天動説を時津山/仁平勝
風死んで三百尺の岩の壁/高橋悦男
風死んで黒白分つ一街路/有馬朗人
西銀座風死すなかの日曜日/野村昭子
風死して旧街道の半旗かな/中田朗子
断層の億年のこゑ風死せり/池添怜子
法難絵図風死す灘を正面に/高澤良一
競べ吹く金管楽器風死せり/柿本多映
風死して鉛の色に湖たたへ/富安風生
風死すや川原の石の貌白し/伊藤白雲
風死せり板書を写すペンの音/高井去私
風死して猫柳向きしまま熟睡/遠山弘子
風死して途方に暮れし芋畠/大岳水一路
風死して隣人影のごとつぶら/二村典子
風死すも葛布の簾そよぐなり/羽部洞然
風死せり伸び極まりし麻の丈/青木瓢子
風死せり柱に拠るも離るるも/吉村千秋
風死せる画廊かつかつ登山靴/宮坂静生
質草の値ぶみおもむろ風死せり/稲垣光子
俳句例:21句目~
ダリの裸婦見て風死ぬる交差点/田口風子
風死して霧おこり薄暮れにけり/幸田露伴
風死して日本中のテレビ蒼し/正木ゆう子
秋の風死して世を視る細眼なほ/飯田蛇笏
草叢に辿り着きつつ風死せり/相生垣瓜人
風死んでしまへり六波羅珍皇寺/大石悦子
首洗ひ池の風死す入日かな/小谷ひろゆき
子を叱る声の何処かや風死して/佐々木六戈
我はメドゥーサ鬼押出の風死して/萩山栄一
風死して別の日暮のあるごとし/櫛原希伊子
六月やごとんと夜風死ににくる/増田まさみ
べンガル虎風死す檻を往き来せり/高澤良一
風死して無聊の蔓の先であり/かとうさきこ
風死んでけふ喪の花のこてふ蘭/平井さち子
もろ腕のベンチに垂れて風死せり/永井絹子
風死すとヨット部員ら游ぎをり/野見山朱鳥
今日ばかり風死してをり原爆忌/細木芒角星
合はせ酢をつくる厨に風死せり/岡本差知子
風死してアンテナ小うるさく立てる/久米正雄
風死すや白髯垂れし翁椰子/山崎冨美子「低音」
俳句例:41句目~
樹下の椅子偶数なれば風死せり/奥坂まや「縄文」
風死せり耳まる出しに髪切れば/佐怒賀直美「髭」
風死してこめかみに来る日の方位/深谷雄大「白瞑」
風死せるこの地が羅城門の趾/高橋克郎「塞翁が馬」