「蛙の目借時」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「蛙の目借時」について
【表記】蛙の目借時
【読み方】かわずのめかりどき
【ローマ字読み】kawazunomekaridoki
子季語・関連季語・傍題・類語など
・目借り時(めかりどき:mekaridoki)
・めかる蛙(めかるかえる:mekarukaeru)
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季節による分類
・「か」で始まる春の季語
・「春の時候」を表す季語
・「晩春」に分類される季語
月ごとの分類
蛙の目借時を含む俳句例
鱒池の波鋼なす目借時/飯田龍太
鰊御殿天井高き目借時/館岡沙緻
靴の右左違へて目借時/寺岡捷子
体内の水嵩思ふ目借時/能村研三
採血の管を探せり目借時/高澤良一
目借時神に泪を拭はれて/堀口星眠
ねむたくて齢加はる目借時/森澄雄
高原にゐてや蛙の目借時/笠原古畦
人違ひして肩叩く目借時/徳丸峻二
芋水車終ふ蛙の目借時/平野紀美子
夜の雲に一粒荘は目借時/飯田蛇笏
能面の尉が天向く目借時/佐川広治
目借時鶴川村の残りをり/石川桂郎
戦意なき男がぬつと目借時/和湖長六
物音のしてゐる家や目借どき/岸田稚
顔拭いて顔細りけり目借どき/岸田稚
検査の為の検査蛙の目借時/高澤良一
牛車とほりしあとの目借時/細川加賀
片乳房に嬰ゐて蛙の目借時/柚木紀子
大きな子膝に蛙の目借時/服部くらら
俳句例:21句目~
点滴に五体をあづけ目借時/青木暁雲
目借時蒟蒻ちぎる爪をたて/石川桂郎
蟇の目に穴のあいたる目借時/石原八束
黒板にチヨークの音や目借時/福川悠子
つま呼んで水冥くなる目借時/関戸靖子
六地蔵のひとつ瞑る目借時/川崎光一郎
団三郎むじなの神の目借時/小島千架子
城山にいつものけふの目借時/岡井省二
大空を白いふうせん目借時/本田ひとみ
噛めば甘き峡の夕闇目借時/佐藤きみこ
煮こぼして薬減らしぬ目借時/関戸靖子
焼かれいる刻の遺影と目借時/森田智子
目借時たやすく死ぬる話して/嶋田麻紀
目借時ゆふべのままの紙とペン/井上雪
目借時狩野の襖絵古りに古り/京極杜藻
種あかす手品などみて目借時/高澤良一
落葉松に峡田のすきて目借時/飯田蛇笏
父に似ぬ不器用可笑し目借時/小松崎爽青
目借時ヨセミテの木々つつく音/仙田洋子
目借時沽券てふ字が書けなくて/高澤良一
俳句例:41句目~
慶弔のかさなつてくる目借どき/佐川広治
母とゐて早寝共にす目借どき/八牧美喜子
耳までも貸してしまへり目借時/能村研三
夜は猫も美食たのしむ目借時/北原志満子
腹いつも減りゐるごとし目借時/藤田湘子
膝に読む本のぬくもり目借どき/作田文子
煙草吸ふや夜のやはらかき目借時/森澄雄
イヤホーン付けて蛙の目借時/堀之内和子
煮ものして窓のくもりし目借どき/檜紀代
すりこぎに足生え飛騨の目借時/文挟夫佐恵
水飲みてすこしさびしき目借時/能村登四郎
日の外に何か散り来る目借時/阿部みどり女
山鳩の来る樹きまれる目借時/阿部みどり女
めかり時映画はシルバー料金にて/高澤良一
目借どきいよよまろさの宋の壺/中戸川朝人
バス停をひとつ乗り越す目借時/佐藤のぶ女
たまたまの外出坐れば目借時/阿部みどり女
およその量で買物たのむ目借どき/平井さち子
めつむればいづこも同じ目借時/阿部みどり女
とりとめなきはなししてをり目借時/中山純子