季語/河童忌(かっぱき)を使った俳句

「河童忌」を使用した俳句についてまとめてみました。

スポンサーリンク

季語「河童忌」について

【表記】河童忌

【読み方】かっぱき

【ローマ字読み】kappaki

子季語・関連季語・傍題・類語など

・餓鬼忌(がきき:gakiki)

・龍之介忌(りゅうのすけき:ryunosukeki)

・澄江堂忌(ちょうこうどうき:chokodoki)

季節による分類

・「か」で始まる夏の季語

・「夏の行事」を表す季語

・「晩夏」に分類される季語

月ごとの分類

7月の季語

河童忌を含む俳句例

歳々や河童忌戻る夜の道/内田百間

河童忌や鉄砲水の行き処/安達逸子

河童忌や学生寮の壁新聞/荒井書子

河童忌の燈心蜻蛉鼻の先/飯田龍太

河童忌の白き腕に葡萄糖/攝津幸彦

河童忌や湖南の扇思ひ出づ/滝井孝作

纜の引き合ふ力餓鬼忌かな/高橋富里

河童忌や文庫本の背星一つ/山川和代

河童忌の山川己が色を濃く/山本洋子

極楽の文学と別河童の忌/阿波野青畝

河童忌や暮色の田端三丁目/石原素子

河童忌の庭石暗き雨夜かな/内田百間

河童忌の洋酒に氷落しけり/秋光泉児

河童忌や一生徒のみ肯はず/兼安昭子

河童忌や安定剤の青い箱/三品百合子

河童忌や水の乱せし己が影/石川桂郎

河童忌や比呂志也寸志も既に亡し/林徹

河童忌や棟に鳴き入る夜の蝉/内田百間

河童忌や書籍に透きし遊び紙/澤本隆子

図書館の片隅を占め河童の忌/丸山景子

俳句例:21句目~

河童忌あまたの食器石に干す/飯田蛇笏

河童忌や夏仔の雀庭に遊べる/内田百間

河童忌や方形に組むことば切/加藤耕子

河童忌の真菰屑浮く舟着場/原田しずえ

河童忌に田端の酒をすゝりけり/上村占

河童忌に食ひ残したる骨かな/内田百間

河童忌の肋撫でれば風の来る/高澤良一

河童忌の火屑をこぼせ百日紅/佐々木咲

河童忌や墓所に通ずる坂多し/対馬康子

河童忌の燐寸一本すりもして/加藤耕子

河童忌の肩をおとして鰻食ふ/萩原麦草

河童忌の白鷲に雨しぶきをり/堀口星眠

河童忌や我がもの顔の反抗期/地福育子

河童忌の声の切なき明烏/林徹「荒城」

河童忌の路面電車の火花かな/藤井基史

河童忌の水打つて胸鎮めけり/小林康治

河童忌を現金掛け値なしの空/櫂未知子

河童忌や水の涸れたる植木鉢/羽吹利夫

河童忌はや羽あをき虫枕べに/石川桂郎

河童忌の何落つとなき水に穴/中村明子

俳句例:41句目~

河童忌や鴉の二羽のゐる線路/宮田和子

河童碑を残す日射しや広島忌/石川桂郎

河童忌の夕明りに乱鶯啼けり/内田百間

青年の黒髪永遠に餓鬼忌かな/石塚友二

河童忌の指で追ひ立て朝の蜘蛛/小林四川

河童忌やビール玉光る水の底/山城奈菜恵

河童忌や一気一気と呑まされて/宮坂静生

河童忌や噴井に踊るまくはうり/小林羅衣

河童忌やいつしか飢ゑを忘じゐる/小島健

河童忌や武漢に迫るいくさぶね/滝井孝作

河童忌と思い出し居り傘の中/伊丹三樹彦

河童忌のくもりがちなる竹の肌/朝倉和江

河童忌の夜風鳴りたる端居かな/内田百間

河童忌の夫の酒虫をもてなさむ/和田祥子

河童忌の横須賀海軍カレー食ぶ/高澤良一

河童忌の汐さかのぼり眼鏡橋/木場田秀俊

河童忌の目ばかり渇く嘘の中/河野多希女

赤富士に河童忌の雲帆のごとし/白木南栖

蹼のごときスリッパ河童の忌/小檜山繁子

河童忌の錠剤シートペきと折り/内田美紗

俳句例:61句目~

蚊を打つて餓鬼忌の厠ひゞきけり/飴山實

枡酒に餓鬼忌の鼻を濡らしけり/木内彰志

河童忌の雨垂れ水に水すまし/百合山羽公

河童忌やぼんやりした不安と退屈/竹内幸一

河童忌やわが名疎んぜらるばかり/清水基吉

河童忌や河童のかづく秋の草/久保田万太郎

河童忌や表紙の紺も手ずれけり/小島政二郎

河童忌の窓をきしきし洗ひをり/秋場よしえ

河童忌をすぐれて太る日差しかな/櫂未知子

河童忌を昨日に過ごし梅酒減る/佐野まもる

餓鬼の忌や水に漬けたる眼を開く/川口重美

河童忌の穂草に紅き穂の立てり/伊丹さち子

河童忌の更けて売るるは蚊遣香/八牧美喜子

河童忌にそっと逃しぬ昼の蜘蛛/豊田美根子

河童忌と気付きしよりの星の声/鍵和田釉子

いつ降りし河童忌の道濡れてゐる/須川洋子

河童忌やテレビクイズに名がいでて/村本畔秀

火縄の火のごとく河童忌来たりけり/友岡子郷

水ばかり飲んで河童忌過ごしけり/藤田あけ烏

反故焚いて河童忌を火の忌としたる/井沢正江

俳句例:81句目~

河童忌や水の流れのうすあかり/かみ/としほ

河童忌や無花果を葉に盛り上げて/長谷川かな女

見ずばかり飲んで河童忌過ごしけり/藤田あけ烏

踏み慣れし階につまづく河童忌よ/鍵和田ゆう子

いつまでも文学かぶれ河童の忌/塩川雄三「築港」

河童忌の赤く大きな月出でし/多摩茜「多摩横山」

河童忌やあまたの食器石に干す/飯田蛇笏「椿花集」

河童忌や紙を蝕むセロテープ/小林貴子「北斗七星」

河童忌やたつたひとりに大広間/中西夕紀「さねさし」