季語/鹿の子(かのこ/しかのこ)を使った俳句

俳句例:101句目~

子鹿撫でたくて母の手ひつぱれる/石井とし夫

鹿の子の蹤き来蹤きこぬ旅情かな/大橋櫻坡子

耳立てゝとかく鹿の子の落ちつかず/小汐大里

草を喰ふ鹿に親しき鹿の子かな/長谷川零餘子

斧入るゝ林飛び出る鹿の子かな/菅原師竹句集

木に倚りて貌たゝきゐる鹿の子かな/岸風三楼

鹿の子や立てば拍手の降るごとく/つじ加代子

目つむりて角生えそめし鹿の子かな/岸風三楼

背の子の鹿の子の帯に秋が来る/阿部みどり女

見ひらきし眼を雨の打つ鹿の子かな/井沢正江

鹿の子やゝちがふまだらの二つかな/大橋櫻坡子

踏んばれる脚折れさうな鹿の子かな/浅井まつ恵

白無垢に鹿の子ぢらしの蛾が愛し/阿部みどり女

鹿の子のリボンのような耳ついて/こしのゆみこ

花あしびかづきて鹿の子くゞり出づ/阿波野青畝

野良猫の揺らして過ぎし鹿の子百合/阿部みどり女

鹿の子の迹から奈良の烏哉/一茶/文化九年壬甲