「寒稽古」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「寒稽古」について
【表記】寒稽古
【読み方】かんげいこ
【ローマ字読み】kangeiko
子季語・関連季語・傍題・類語など
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季節による分類
・「か」で始まる冬の季語
・「冬の生活」を表す季語
・「晩冬」に分類される季語
月ごとの分類
寒稽古を含む俳句例
松籟に心休ませ寒稽古/上野泰
赤胴の似あふ少年寒稽古/中紫水
寒稽古生涯かけし師一人/上村占
指先の光を感じ寒稽古/渡辺和弘
寒稽古終りて拳解かず礼/檜紀代
寒稽古青き畳に擲たる/日野草城
鉞も武芸が中や寒稽古/内田秋皎
進み出て一対一や寒稽古/長谷川櫂
一礼に初心忘れず寒稽古/吉井莫生
小漢の声の大きく寒稽古/古賀筑史
窓高し竹刀のみ見え寒稽古/森田峠
故郷の月の明るき寒稽古/福田蓼汀
師三人並び現れ寒稽古/波多野爽波
渋引きしごと喉強し寒稽古/高浜虚子
丹田にのりし全身寒稽古/深見けん二
山一つ二つ暮れゆく寒稽古/石田三省
己が吹く己が笛の音寒稽古/成瀬雄達
寒稽古汗ふく顔の幼かり/中原八千子
渾身の一管ひびく寒稽古/三谷喜与史
寒稽古突き返し又突き返し/長谷川櫂
俳句例:21句目~
門弟の一人きりなる寒稽古/折井眞琴
門弟の中のわが子や寒稽古/高野素十
よこたへる琴の長さや寒復習/辻桃子
半分は泣いてゐる声寒復習/浅野白山
吹く笛の林へ向ひ寒復習/高田/青圃
大ぶりの椀の湯漬や寒稽古/水原秋櫻子
寒稽古病める師匠の厳しさよ/高浜虚子
明けに響く竹刀の音や寒稽古/坂本義雄
神の灯の揺ぎて厳し寒稽古/門岡/一笑
月の樹にありあふ柝や寒稽古/飯田蛇笏
水飲んで京へゆかなむ寒稽古/田中裕明
空を蹴り空を突きては寒稽古/長谷川櫂
老いてなほ稽古の鬼や寒稽古/竹原梢梧
一礼のすでに圧さるる寒稽古/石崎素秋
噴く山へ拳突き出す寒稽古/谷迫はるえ
寒稽古らし城へゆく道ゆづる/上杉苳子
雪の戸をわれ立ち出づる寒稽古/岩田潔
面取れば妙齢なりし寒稽古/永田百々枝
緋袴に坐してひとりの寒復習/黒田杏子
寒稽古夜更けて残る二人きり/鈴木花蓑
俳句例:41句目~
寒稽古始まる掲示つぎ~に/五十嵐播水
寒稽古子弟の骨を鍛ひけり/河東碧梧桐
寒復習障子硝子に雪降つて/大橋櫻坡子
寒稽古百射て的の暮れにけり/猪俣千代子
小豆煮る香のして終る寒稽古/田中/蘇水
水さはに胸拭き了へし寒稽古/中田/樵枝
面つけて沙弥とは見えぬ寒稽古/中村草哉
放つ矢に風ひきしまる寒稽古/小森/泰子
たゞ一人ひそかなるかな寒復習/高浜虚子
行き渋る子を送り出し寒稽古/永森ケイ子
しろじろと月暁けてをり寒稽古/辻岡夏人
寒ざらい聲のつぶれる程ならず/高浜年尾
すたれたる奥浄瑠璃や寒復習/宮野小提灯
胸をもてバレエつま立つ寒稽古/赤松ケイ子
くぐり門押せば開くなり寒稽古/鈴鹿野風呂
小つづみの血に染まり行く寒稽古/武原はん女
寒稽古に出しやりし燈の部屋に沁む/原田種茅