俳句例:101句目~
寒紅やおどけて心ひきたてて/清水万里子
寒紅や人剌す如く言ひ捨てゝ/牧野美津穂
寒紅をさして無聊の日なりけり/龍奈賀子
寒紅をさせるお顔を見納めに/深見けん二
寒紅をつけ辛辣なこと言えり/沖口遼々子
寒紅や酒も煙草もたしなまず/鈴木真砂女
筺底にわがいつの日の寒紅ぞ/高橋淡路女
罪障のふかき寒紅濃かりけり/鈴木真砂女
寒紅をとりし白き手目にのこる/田中冬二
笑み解けて寒紅つきし前歯かな/杉田久女
寒紅や二夫にまみえて子をなさず/吉屋信子
喪にこもる日々寒紅はうすく刷く/黒瀬静江
職を得て寒紅を濃く引きにけり/桑原美津子
寒紅をさしたるのみの素顔かな/三宅清三郎
寒紅を引きなつかしやわが死顔/恩田侑布子
丑紅にをんなとなりし瞳のすゞし/野沢順水
芸道のきびし寒紅落しもあへず/長谷川かな女