季語/書初(かきぞめ)を使った俳句

「書初」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「書初」について

【表記】書初

【読み方】かきぞめ

【ローマ字読み】kakizome

子季語・関連季語・傍題・類語など

・筆始(ふではじめ:fudehajime)

・吉書(きっしょ:kissho)

・試筆(しひつ:shihitsu)

・試毫(しごう:shigo)

・試簡(しかん:shikan)

・試免(しめん:shimen)

・試穎(しえい:shiei)

・試觚(しこ:shiko_)

・試春(ししゅん:shishun)

・初硯(はつすずり:hatsusuzuri)

季節による分類

・「か」で始まる新年の季語

・「新年の生活」を表す季語

・「新年」に分類される季語

月ごとの分類

1月の季語

書初を含む俳句例

海一句金短冊に筆始/有働亨

書初はたゞ叮嚀に~/高浜虚子

窓にとぶ都鳥あり筆始/桜坡子

金屏や賢き妹が筆始/会津八一

良寛を学びて遠し筆始/中火臣

白壁や子供がすさみ筆始/黄口

江南の梅の翁や筆始/仲岡楽南

筆始虚子秋桜子山頭火/酒井武

立札や法三章の筆始/子規句集

君が代や猶も永字の筆始/乙由

鉄つくる固き指もて筆始/沢一三

満々と黒き海あり筆始/正田稲洋

横書に心の小窓筆始/後藤比奈夫

酔ふままに羽織の裏を筆始/荷風

書初や口上の覚えけふの礼/兼豊

書初を一々つるす鴨居かな/篠原

書初や白き鳥浮く神田川/辻桃子

書初や草の庵の紅唐紙/飯田蛇笏

発心の書初古今恋の歌/大石悦子

和を以て貴しと筆始めけり/青畝

俳句例:21句目~

書初や日のさす方へ並べ行く/篠原

日本の文字美しき筆始め/田中玉夫

書初やうるしの如き大硯/杉田久女

書初の筆の力の余りけり/稲畑汀子

ゆづり葉や口にふくみて筆始/其角

わんぱくや先づ掌に筆はじめ/一茶

一の字に己の見えて筆始/田淵宏子

海の子の海の一字の筆始/野上飛雲

筆始幼子にして大書せり/渡邉秋男

野に日ざし山に影ある筆始/辻桃子

雪置きて山高く見ゆ筆始/秋山幹生

友禅に青花水の筆はじめ/桂樟蹊子

書初す長寿自祝の句短冊/常石芝青

水仙や試筆のあとの緋毛氈/より入

筆ひぢて結びし文字の吉書哉/宗鑑

大和仮名いの字を児の筆始め/蕪村

恋歌をひらがなに娘の筆始/森澄雄

扇面の波を鎮めて筆はじめ/杉良介

書初や旅人が詠める酒の歌/上村占

文鎮を置けば鎮まり筆始/倉田紘文

俳句例:41句目~

日に梅よ思はず恋の筆はじめ/そめ

書初のための右馬左馬/後藤比奈夫

書初めや良寛さまの齢過ぎ/河野南畦

空海と決めある筆や筆始/後藤比奈夫

筆始浮き立つ半紙撫で押へ/渡辺善夫

一川に対するごとく書初す/能村研三

一波に消ゆる書初め砂浜に/西東三鬼

書初や我が家の句は平明に/島田青峰

入りきらぬ末の一字やお書初/辻桃子

古紙えらび古墨えらびて筆始/町春草

筆始書家の子の書に拙かり/福田井村

書初めの一字を聖書より選ぶ/長田等

筆始しらしろき芭蕉の句/波多野恒子

書初の墨病室をかをらしむ/石田波郷

書初の片仮名にして力あり/川島奇北

新しき穂先とゝのへ筆始め/森山治子

華墨得て筆紙憾めり筆始め/石塚友二

蒼天の夢を淋漓と筆始め/すずき波浪

酔眼に毛氈の朱や筆始め/島村元句集

書初や親子と生れ詩に仕ふ/島田青峰

俳句例:61句目~

天地なき金の色紙に筆始め/澤田緑生

伝貫之高野切なる吉書かな/立花杢公

半歌仙独吟したる試筆かな/茨木和生

吉書也天下の世継物がたり/井原西鶴

硯の海闊く一家の吉書かな/石井露月

亡き人の名をなんとなく筆始/池田澄子

美しき名のわが妻の書初めよ/鷹羽狩行

家計簿のページはじまる筆始/蕪木啓子

書初や衰へならで枯れしと言ふ/瀧春一

しばらくは師の声とあり筆始/深谷雄大

筆始め要らぬところに力入れ/高澤良一

墨はじく金地めでたし筆始/下村ひろし

書初の歌は詠み人知らずなる/下村梅子

書初の筆勢富士へ韻きけり/小川原嘘帥

書初の墨流るるを早や吊りぬ/田村一翠

書初は恋の場面となりにけり/吉屋信子

零といふ字を書初めにして父は/皆吉司

しづり雪吉書の筆に応へけり/増田龍雨

一休のこはざれ歌の吉書かな/浜田波静

書初のわれをなぶれる有馬筆/大石悦子

俳句例:81句目~

古稀にして細楷をよくす筆始/中川四明

書初はうれしきかなやいざさらば/重頼

旧正の吉書のれんや華僑街/下村ひろし

書初の平和の二文字忘れざれ/石塚友二

沖荒の見ゆる二階に試筆かな/茨木和生

筆始歌仙ひそめくけしきかな/芝不器男

書初の太文字はわが男弟子/古賀まり子

綾瀬あり試筆の筆を洗ふなる/木村蕪城

くれなゐの色紙を選ぶ筆始/野見山ひふみ

ふくませて朱墨はかなし筆始/三浦恒礼子

一といふ字三といふ字の筆始め/高野素十

筆始こめかみ酔ひてきたりけり/小林康治

天平の祝ぎ歌うつす筆はじめ/奥田とみ子

筆始ほろ酔ひの字もめでたけれ/柏木志浪

筆始め決意の文字のにじみけり/中林利作

夫婦して書初の掌を汚しけり/小川原嘘帥

一の字に力入れたる吉書かな/池上浩山人

拓チャンの書初め大いなる楕円/池田澄子

書初の子に吉野雛ながれつつ/大峯あきら

住み佗びて昔ながらの試筆かな/島田青峰