季語/稲妻(いなずま)を使った俳句

「稲妻」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「稲妻」について

【表記】稲妻

【読み方】いなずま

【ローマ字読み】inazuma

子季語・関連季語・傍題・類語など

・稲光(いなびかり:inabikari)

・稲の殿(いねのとの:inenotono)

・いなつるび(いなつるび:inatsurubi)

・いなたま(いなたま:inatama)

季節による分類

・「い」で始まる秋の季語

・「秋の天文」を表す季語

・「三秋」に分類される季語

月ごとの分類

8月の季語

9月の季語

10月の季語

稲妻を含む俳句例

電に今年の竹の美しき/成美

稲妻や隣の蔵も修履時/几董

蘇る水の稲妻枯尾花/斎藤玄

竹深し稲妻薄き夜明哉/几董

稲妻や刈草にほふ厩口/麦南

哨兵の後姿を稲光/寺田寅彦

稲光一遍上人徒跣/黒田杏子

稲光大きな雲の蟠り/上野泰

稲妻や梟の臥ところまで/李遊

稲妻や昨日は東今日は西/其角

糸引女夜は稲妻の臥し処/綾子

稲妻に色失へる灯かな/上野泰

水打つて稲妻待つや門畠/一茶

稲妻の門で髪梳く女かな/存義

炭竃や稲妻走る山の腹/森鴎外

稲妻や要塞地帯第幾標/森鴎外

稲妻や芒がくれの五十貌/一茶

稲妻の光の中の釣荵/藤井紅子

稲妻の度々蟇の歩みかな/樗堂

稲妻やよわり~て雲の果/太祇

俳句例:21句目~

顔ふりむきし雄鶏や稲光/重信

梁上の君子危し稲光/寺田寅彦

水面に表裏あり稲光/池田澄子

稲光西にしきりや風の盆/柏禎

蘇る海馬の記憶稲光/柴田奈美

美しき稲妻したり与謝の海/青邨

稲妻が走るもつとも遠き空/吐天

六郡を稲妻すなり草枕/石井露月

稲妻に盗人走る野末哉/寺田寅彦

稲妻や闇の方行く五位の声/芭蕉

稲妻にへな~橋を渡りけり/一茶

稲妻や提灯多き野辺送/正岡子規

稲妻の行處なき月夜哉/寺田寅彦

稲妻や裏葉萋たる麻畑/会津八一

稲妻にこぼるゝ音や竹の露/蕪村

神々の戦稲妻二打三打/柴田奈美

稲妻の明暗雲の裏走る/高濱年尾

一本は岐れる前の稲光/久保純夫

稲妻や波もて結へる秋津島/蕪村

トラムプの独り占稲光/星野立子

俳句例:41句目~

稲妻のする時雲の形哉/正岡子規

稲妻やからくり花火夕芝居/黄吻

稲妻や石油浮ぶ池の面/会津八一

稲妻やきのふは東けふは西/其角

稲妻や波に抛つ普門品/寺田寅彦

稲妻や海の面をひらめかす/史邦

稲妻やされば夜来る杉の間/百池

稲妻や浪もて結へる秋津島/蕪村

稲妻の一網打つや伊勢の海/蕪村

枯萩と遠稲妻を一に見し/斎藤玄

稲妻の巨き翼ぞ嶺を打てる/篠原

稲妻にインカの民は灯さず/素十

しんしんと肉の老いゆく稲光/玄

天草の稲妻遠し松の宿/内田百間

はら~と稲妻かゝる芭蕉哉/樗堂

干草の山なす庭や稲光/松藤夏山

東京も友も遠しや稲光/石塚友二

いな妻や風情を乱す月の雲/鼻紅

稲妻の銀の眼を沖合に/高澤良一

稲光顔の山脈瞳の海よ/高原耕治

俳句例:61句目~

稲光り走る鏡の暗き中/三好潤子

佛壇に鼠さわぐや稲光/寺田寅彦

稲妻に並ぶやどれも五十顔/一茶

稲妻は矢口の言の光かな/森鴎外

稲光畠の上に田の上に/本田和男

稲光蝙蝠岳は闇に没し/福田蓼汀

新院の陵ありて稲妻す/寺田寅彦

羅の肩をおほへる稲光/中村汀女

一角に稲妻光る星月夜/高浜虚子

稲光一商人として旅へ/山中麦邨

稲妻を遮る雲のいろの濃き/森鴎外

稲妻の翼が吾を羽交締め/三好潤子

稲妻や蹠死すとも癩治れ/村越化石

稲妻を浴せかけるや死ぎらひ/一茶

稲妻に玉を捜るや龍の腮/寺田寅彦

稲妻に悟らぬ人の貴さよ/松尾芭蕉

稲妻を夜毎の街に見失ひ/中村汀女

稲妻を吸ふて太るや青狐/久米正雄

稲妻に近くて眠安からず/夏目漱石

稲妻に道きく女はだしかな/泉鏡花

俳句例:81句目~

稲妻に遠くの棗実りけり/萩原麦草

稲妻に障子の骨の現るゝ/前田鳴仙

稲妻や吾子の墓辺の眼に浮ぶ/耒井

稲妻のあおき翼ぞ玻璃打てり/篠原

稲妻や荒野の果の一軒屋/寺田寅彦

稲妻のあをき翼ぞ玻璃打てる/篠原

稲妻や芦江にひそむ鯰船/宇野犂子

稲妻のこぼれて赤し蕎麦の畑/可有

よみ懸し戦国策や稲光り/井上井月

稲妻のしまらで秋を果しけり/乙州

稲妻や耳なし山の峰はづれ/碧梧桐

よこがほを淋しとおもふ稲光/斌雄

稲妻や稲の山辺の法隆寺/松瀬青々

こめかみは鱗のなごり稲光/秋月玄

湖に稲妻のする静けさよ/中島曾城

電の山を出かぬる夜あけかな/嵐青

雷は好き稲妻は嫌ひなり/高木晴子

稲妻や獄門の首我を見る/正岡子規

稲妻や湯船に人は玉の如/寺田寅彦

稲妻や淀の与三右が水車/上島鬼貫