「銀杏散る」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「銀杏散る」について
【表記】銀杏散る
【読み方】いちょうちる
【ローマ字読み】ichochiru
子季語・関連季語・傍題・類語など
–
季節による分類
・「い」で始まる秋の季語
・「秋の植物」を表す季語
・「晩秋」に分類される季語
月ごとの分類
銀杏散るを含む俳句例
大銀杏散る縦の町横の町/大野徳樹
金色の風十方に銀杏散る/狹川青史
銀杏散る兄が駈ければ妹も/安住敦
立去れば銀杏散るなり門茶寺/抱琴
足どりは演奏帰り銀杏散る/森田峠
銀杏ちる兄が駈ければ妹も/安住敦
銀杏散る夜の高さの時計台/池田秀水
たけなはの大学祭に銀杏散る/森田峠
老銀杏散ずる快を貪れる/相生垣瓜人
数範囲百までの児に銀杏散る/樋笠文
七五三形揃へて銀杏散る/百合山羽公
銀杏散る万巻の書の頁より/有馬朗人
銀杏散る学生服を稀に著て/三村純也
銀杏散る女郎二万を一墓石/対馬康子
銀杏散るマチスの光滴らせ/対馬康子
母と子と拾ふ手許に銀杏散る/高浜虚子
角帽に銀杏散ること変らざる/山本歩禅
護送車の小さき窓や銀杏散る/山下典子
銀杏散る野球少女の帽子にも/仙田洋子
銀杏ちる童男童女ひざまづき/川端茅舎
俳句例:21句目~
銀杏ちる金管楽器響りやまず/川崎ナミ
銀杏散り敷き東大の名なき門/西村和子
海坂の弧の端にして銀杏散る/桂樟蹊子
中空にひらきし面て銀杏散る/井沢正江
銀杏散る一葉一葉の確かなる/後藤栄生
大学の匂ひに満ちて銀杏散る/原子公平
大空の風をはらみて銀杏散る/河本好恵
大銀杏散り敷き琵琶の仮舞台/辻村勅代
天上に修羅ありぬべし散る銀杏/樋口青
銀杏散る明るさ雨の中にあり/池田秀水
銀杏散る母校に聴講郷土の史/岡田三枝
銀杏散る童男童女ひざまづき/川端茅舎
阪下や豆腐屋の店に散る銀杏/山内双梧
顕微鏡はなしたる眼に銀杏散る/山形理
朝ばかり日のさす寺の銀杏散る/上村占
死を誘ふ溜息ついて銀杏散る/仙田洋子
お火焚や広前銀杏ちり敷ける/木村寿美平
母を恋ふ故人の句あり銀杏散る/岸風三楼
散り銀杏掃かぬ懈怠は許さるる/井上哲王
要立ちして地を打ちて銀杏散る/大橋敦子
俳句例:41句目~
銀杏散る胸並め行けば歩が揃ふ/川口重美
態となる跣なりけり銀杏散る/阿波野青畝
銀杏ちるちるちる西空の茜寒む/石原八束
銀杏散るはげしき音の中にあり/平岡仁期
銀杏散るひかりや居間の壁鏡/吉田/芙水
銀杏散るまっただ中に法科あり/山口青邨
走り去る毬さびしけれ銀杏散る/中村汀女
道化師の眼鏡ずれ落ち銀杏散る/仙田洋子
いてふ散る女の真顔つぎつぎに/斉藤夏風
いてふ散る輪舞に吾等瞬きづめ/高澤良一
ふとん裂れの浅黄格子に銀杏散る/細見綾子
銀杏散る我が珈琲にも一つ落ちよ/仙田洋子
銀杏散りゐしと憶えてゐるばかり/西村和子
宮荒るるばかり銀杏散るばかり/小園/末子
銀杏散る空地珍らし路地の中/長谷川かな女
敷煉瓦に模様刻めり散り銀杏/長谷川かな女
銀杏散るかならず大地ひろやかに/後藤夜半
日が射してゐる間の銀杏散り急ぐ/西村和子
母ある子母のない子に銀杏ちる/松尾いはほ
銀杏散り金を呉れむと番号呼ばれ/岩田昌寿
俳句例:61句目~
いてふちりしける日なたが行手にあり/篠原
いてふ散り来り地に着く時早く/松本たかし
いてふ散る愉しき人々のみならず/岸風三楼
銀杏散る中へ真赤なポルシェゆく/小川背泳子
いてふ散るすでに高きは散りつくし/岸風三樓
この銀杏散られであそぼ散るならば/広瀬惟然
キャンパスの塀尽きるまで銀杏散る/田中芙美
ビル街に行きどころなき銀杏散る/久米谷和子
銀杏ちる深空あを~澄みまさり/五十崎古郷句集
銀杏散るけふも月痕ありにけり/五十崎古郷句集
疎水ここに来て溢れけり銀杏散る/長谷川かな女
いてふ散るちるから夕焼け惜しまるる/椎橋清翠
散るいてふすべて地を向くクレヨン画/吉野義子
三猿古ればみな泣くさまや銀杏散る/中村草田男
古町のちまたやちまた銀杏ちる/五十崎古郷句集
ネクタイをする日しない日いてふ散る/草間時彦
ボードレールの雲よとめどなく銀杏散る/仙田洋子
やちまたは人の来ぬ間も銀杏散る/五十崎古郷句集
銀杏散るバスケット/シューズ下駄箱に/鈴木栄子
銀杏ちるちまたにはかにたそがれぬ/五十崎古郷句集