「茨の実」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「茨の実」について
【表記】茨の実
【読み方】いばらのみ
【ローマ字読み】ibaranomi
子季語・関連季語・傍題・類語など
・野茨の実(のいばらのみ:noibaranomi)
・野ばらの実(のばらのみ:nobaranomi)
–
季節による分類
・「い」で始まる秋の季語
・「秋の植物」を表す季語
・「晩秋」に分類される季語
月ごとの分類
茨の実を含む俳句例
茨の実琥珀十一月終る/山口青邨
歩き見る国分寺址茨の実/粟賀風因
出勤路茨の実朱き共稼ぎ/佐藤十雲
茨の実や大夕焼も野渡の景/飯田蛇笏
南米地図壁に茨の実卓に挿す/及川貞
実茨の蔓を撥ねしは尉鶲/鈴木しげを
実茨や猪の通りし跡ありて/菊山九園
茨の実むかしむかしの膝小僧/北光星
茨の実赤く夕ベ霙れてゐる/大橋裸木
近道のいつの間に失せ茨の実/湯川雅
ネッカーの河畔の朝の茨の実/高木晴子
叩き割るように雨来る茨の実/河合凱夫
茨の実きつぱり浮けり黒聖母/小池文子
茨の実いつか夕日の沈みゐし/稲畑汀子
寝食に溺れていれば茨の実/北原志満子
茨の実や音こばむかに湿地帯/金子篤子
茨の実忘れし恋のありにけり/小泉良子
茨の実泉に映りかつこぼる/水原秋桜子
頬白に朝がはじまる茨の実/青柳志解樹
茨の実を食うて遊ぶ子哀れなり/村上鬼城
俳句例:21句目~
夕ベ雪の茨の実早やうづもれる/大橋裸木
実茨のひとかたまりの真紅かな/岡田日郎
文学少女が老いし吾が妻茨の実/草間時彦
水音の澄めば冷えくる茨の実/小松崎爽青
茨の実くれなゐ深く野川澄む/武笠美人蕉
野茨の実のくれなゐに月日去る/飯田龍太
雪はげし血汐のごとき茨の実/古賀まり子
ひだり手は疑ひぶかし茨の実/中尾寿美子
頬白ゐてついばみにけり茨の実/村上鬼城
茨の実の赤き目あてや鵙の贄/菅原師竹句集
野茨の実を透く風の過ぎにけり/福田甲子雄
雉子の尾をおくしづけさや茨の実/栗生純夫
すぐに日の逃げるあたりに茨の実/澤村昭代
茨の実うましといふにあらねども/宮部寸七翁
茨の実の紅もちこたえ逢う日なり/長谷川かな女
茨の実のうましといふにあらねども/宮部寸七翁