「弾初」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「弾初」について
【表記】弾初
【読み方】ひきぞめ
【ローマ字読み】hikizome
子季語・関連季語・傍題・類語など
・初弾(はつひき:hatsuhiki)
・琴始(ことはじめ:kotohajime_)
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季節による分類
・「ひ」で始まる新年の季語
・「新年の生活」を表す季語
・「新年」に分類される季語
月ごとの分類
弾初を含む俳句例
弾初や女の前に雪の峯/松瀬青々
真間山の一院深く琴始/安陪青人
瞽女の頬涙ひとすぢ弾初/山内星水
弾初の琴三面を並べけり/星野麦人
琴始くやし涙にくれたるが/辻桃子
弾初や第一音を弱からず/阿片瓢郎
しろがねの湖に真向ふ琴始/白柳淑子
弾初めや琴爪遠き指の冷え/内田百間
弾初の姉のかげなる妹かな/高浜虚子
弾初や障子の隙に隅田川/竹内南蛮寺
弾初の始まるまでの絵雙六/松藤夏山
弾初や八十路の母の桜狩/古賀まり子
弾初やこゝろに適ふ三の糸/竹谷緑花
弾初や女独り住める家の忍駒/尾崎紅葉
弾初や老妓の褄の散り松葉/瀬戸内寂聴
一群れははや弾初の帰りらし/遠藤為春
弾初の撥を秘めたる袱紗かな/日野草城
初弾の琴爪ゆるくなつてをり/永川絢子
母となり娘の初弾きの子守唄/飯田弘子
弾初や流儀ことなる姉妹/阿部みどり女
俳句例:21句目~
弾初のをはりし指の閑かなる/日野草城
弾初の吾は琵琶法師弱法師/加藤蛙水子
弾初のおのづと眉目緊りけり/勝又水仙
弾初やいくさの場に目遺れて/石塚友二
弾初や十三弦のゆるみなき/大西/正子
弾初や声高々とあどけなき/高橋淡路女
やゝ酔ひし妹が弾初いざ聴かん/高浜虚子
初弾に男を入れて気を張れり/河野多希女
弾初にあかり立てゐる炭火かな/増田龍雨
弾初や妓はやめたれど変り無く/高浜虚子
弾初や母まさば祖母ましませば/高木青巾
弾初や爪びきながら老の膝/阿部みどり女
弾初めに重ね着の児の重からん/井上日石
弾初や隣づからの庭づたひ/久保田万太郎
弾初や声つぶれをる老師匠/阿部みどり女
弾初のグノー一指をためらはず/永井尤人
弾初めの少女のうしろ母がゐる/神原栄二
まなかひにきみある如く弾初めぬ/白川京子
弾初の曲ひそやかにしぐるる夜/鷲谷七菜子
弾初の一人の事務所なりしかな/夏井いつき
俳句例:41句目~
弾初のショパンの曲の湧くごとし/本多勝彦
弾初や羽二重だんごだれ持參/久保田万太郎
弾初にことし缺けたる一人かな/久保田万太郎
弾初はスタインウェイを選みしと/稲畑廣太郎
弾初の灯ともしごろとなりけるや/久保田万太郎
五人ほどよりて弾初めしたりけり/久保田万太郎