「日脚伸ぶ」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「日脚伸ぶ」について
【表記】日脚伸ぶ
【読み方】ひあしのぶ
【ローマ字読み】hiashinobu
子季語・関連季語・傍題・類語など
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季節による分類
・「ひ」で始まる冬の季語
・「冬の時候」を表す季語
・「晩冬」に分類される季語
月ごとの分類
日脚伸ぶを含む俳句例
日脚伸ぶ机の下に波の音/今井聖
大股に電話が歩き日脚伸ぶ/有田文
日脚伸ぶ電車の中を人歩き/神蔵器
筆立の筆の長短日脚伸ぶ/丸山比呂
幹高き欅や日脚伸びにけり/森澄雄
筆耕の机の塵や日脚伸ぶ/野崎方道
松林切株ふえて日脚伸ぶ/大島民郎
日脚伸ぶ画廊は銀座七丁目/坂井建
燈台の影の一本日脚伸ぶ/白井爽風
雪の涯風の涯の日脚伸ぶ/深谷雄大
影いつも己の中に日脚伸ぶ/牧石剛明
獄中の畳に日脚伸びにけり/角川春樹
日脚伸ぶ雪ある山になき山に/上村占
日脚伸ぶ卓に就職情報誌/山本ふく子
犬も加へ一家息災日脚伸ぶ/新田郊春
日脚伸ぶ懐手して山を見る/田中冬二
爪立ちて吊す鳥籠日脚伸ぶ/小林栄子
放課後の喧嘩は箒日脚伸ぶ/三嶋隆英
日脚伸ぶ綱掛け神事覚え書/山本洋子
水槽に動く砂粒日脚伸ぶ/ふけとしこ
俳句例:21句目~
日脚伸ぶ母躓かせぬやうに/廣瀬直人
枝移る禽の賑はひ日脚伸ぶ/沖山政子
城門の閉りし六時日脚伸ぶ/田中延幸
朝市はいつも完売日脚伸ぶ/皿井節子
昼灯す苺ハウスに日脚伸ぶ/百井芳枝
日脚伸ぶ刺繍枠提げ陸橋に/宮武寒々
酒蔵に醪つぶやき日脚伸ぶ/吉澤卯一
日脚伸ぶわが影も伸ぶ海へ坂/杉本寛
勾玉は誕生の形日脚伸ぶ/川崎ふゆき
老僧は話好きなり日脚伸ぶ/水原春郎
山国の大橋日脚伸びにけり/中島克巳
帰りには膨らむ鞄日脚伸ぶ/岡田耕治
頬挟む手ぐせも日脚伸びにけり/林翔
本箱の裏の豆まで日脚伸ぶ/和田幸司
日脚伸ぶ年金少し上りけり/北見さとる
日脚伸ぶ母をいたはる仮住い/中村汀女
日脚伸ぶ母を躓かせぬやうに/廣瀬直人
日脚伸ぶ爬虫に脱皮ありしこと/実籾繁
日脚伸ぶ玩具どれもが疵もてり/大輪昌
日脚伸ぶ病人の手のうで時計/橋本鶏二
俳句例:41句目~
日脚伸ぶ雪の色かな遥か来ぬ/高木晴子
時計見に店を覗く子日脚伸ぶ/毛塚静枝
ほこり払ふ航海日誌日脚伸ぶ/小池文子
杖つけば杖の先より日脚伸ぶ/貝森ひで
母に山河妻に山河や日脚伸ぶ/小林康治
筑波より庭石売りや日脚伸ぶ/石川文子
舞ひ戻る紙の飛行機日脚伸ぶ/岡本一代
食ひ足りし大鶏の鬨日脚伸ぶ/堀口星眠
二階から三方見えて日脚伸ぶ/皆川白陀
入院の日を重ねつゝ日脚伸ぶ/高浜年尾
廿日鼠巴里の市場に日脚伸ぶ/小池文子
駅前に自転車あふれ日脚伸ぶ/大町莞子
勝牛のひと声島の日脚伸ぶ/長谷川閑乙
大風の茶畠日脚伸びてをり/大峯あきら
妃殿下のお言伝てあり日脚伸ぶ/星野椿
定年を真近に日脚伸びにけり/鈴木昭次
屑払ふにもかけひきや日脚伸ぶ/安住敦
思ひたつ日帰り旅や日脚伸ぶ/中山良章
恢復の入り口に来て日脚伸ぶ/山内山彦
手枕や日脚伸びたる越のくに/角川照子
俳句例:61句目~
新しき絵馬重なりて日脚伸ぶ/生田経子
日脚伸びつゝ酷寒の大地あり/高木晴子
日脚伸び夜のゆとりを失ひし/山本紅園
日脚伸ぶや目鼻のほしき鬘台/野村喜舟
日脚伸ぶ二日つゞきの佛の日/笹原耕春
日脚伸ぶ亡夫の椅子に甥が居て/岡本眸
日脚伸ぶ埃払ひしオルゴール/小林綾子
日脚伸ぶ夕空紺をとりもどし/皆吉爽雨
日脚伸ぶ安乗文楽かぶりつき/山本洋子
いつ灯りゐしとも知らず日脚伸ぶ/森田峠
かくれんぼ隠れ上手に日脚伸ぶ/丸野紀子
日脚伸び伸びて雛の日に至る/波多野爽波
日脚伸ぶ彼女の髪は長くなり/稲畑廣太郎
日脚伸ぶ牛飼いの目は牛に似て/三須民恵
たまさかの妻の盛装日脚伸ぶ/八幡丈太郎
父空を見上げたまんま日脚伸ぶ/如月真菜
濡木山ひかりの沁みて日脚伸ぶ/松村蒼石
日脚伸ぶ吾が家に重きビルの影/小塚勇太
猿飛んで樹々をゆきかう日脚伸ぶ/大野茂
めがねされて更に温容日脚伸ぶ/荒井正隆
俳句例:81句目~
忘れ得ぬ事となりつゝ日脚伸ぶ/星野立子
石仏に石を背負わせ日脚伸ぶ/畑中とほる
全身を食い尽くすまで日脚伸ぶ/有馬英子
日脚伸ぶ母亡き部屋も一目づつ/渡辺恭子
紅殻塀つらね「一力」日脚伸ぶ/田中英子
山へ帰る人に鴉に日脚伸ぶ/阿部みどり女
日脚伸ぶ硝子が割れて少年消え/藤岡筑邨
胸にさす鉛筆日脚伸びにけり/斎藤優二郎
日脚伸ぶ足袋干してある竿の先/高濱年尾
日脚伸ぶ隅田が海となるあたり/尾村馬人
日脚伸ぶ三寸人参矮鶏のこゑ/百合山羽公
日脚伸ぶ今年為すこと多きかな/高浜虚子
日脚伸ぶわたしが折れて仲直り/山田弘子
日脚伸ぶどこかゆるみし心あり/稲畑汀子
日脚伸ぶ勤得し子の服選れば/塩谷はつ枝
菜箸の糸切れてゐたり日脚伸ぶ/大熊一枝
隠し湯に郵便車来て日脚伸ぶ/相河美智子
日脚伸ぶ夫婦別なることをして/高木晴子
卯の花を煎る大鍋や日脚伸ぶ/鈴木真砂女
日脚伸ぶ影をつぶさに薔薇の棘/馬場移公子