「初髪」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「初髪」について
【表記】初髪
【読み方】はつかみ
【ローマ字読み】hatsukami
子季語・関連季語・傍題・類語など
・初結(はつゆい:hatsuyui)
・結初(ゆいぞめ:yuizome)
・初島田(はつしまだ:hatsushimada)
・年の髪(としのかみ:toshinokami)
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季節による分類
・「は」で始まる新年の季語
・「新年の生活」を表す季語
・「新年」に分類される季語
月ごとの分類
初髪を含む俳句例
初髪を抑へ大橋渡り来る/堤京子
初髪に東京湾の広さかな/有働亨
初島田結ひて汚き割烹着/高濱虚子
初島田結ひて汚き割烹着/高浜虚子
初髪の嬌羞誘ふ高瀬川/梶山千鶴子
母と子の初髪匂ふ厨ごと/石崎静女
初髪を風より庇ふ島渡し/南ふじゑ
初髪に風すぐ遊ぶ天城越/村上光子
初髪や一に詣でる観世音/野村喜舟
初髪の合せ鏡を右左/中畠/ふじ子
初髪の鼻先にありバスの中/田中冬二
仲見世や初髪匂ふ人とゐて/御村善子
初髪や子はお手玉の勘狂ふ/三橋迪子
切手売る初髪の紅一点嬢/秋元不死男
初島田越しに横綱土俵入り/鷹羽狩行
初島田越しに横綱土俵入り/鷹羽狩行
瞑りて大年の髪梳かれをり/佐野美智
還暦の母の初髪小さけれ/奥山さち子
初髪に似合ふ松山絣著て/深川正一郎
初髪の空を鴎の羽音かな/波多野爽波
俳句例:21句目~
船室にひとり初髪の幼な妻/福田蓼汀
初結の髷が三人ともちがふ/小西米太
初髪に青天こぼす雪すこし/吉川菰丈
初髪を結ひておほかた厨事/坪川紀子
初髪の英字新聞ひろげ読む/桐田文子
初髪の天は鏡となりにけり/大西一冬
常の如結うて初髪なりしこと/稲畑汀子
抱擁や初髪惜し気なくつぶす/品川鈴子
切り揃へたる初髪に飾りなし/足立律子
初髪にスフィンクスより砂嵐/品川鈴子
初髪に愛憎淡くなりしかな/石田いづみ
初髪のかつら顔なき台に結ふ/河野扶美
初髪のはやほつれしを耳ばさみ/檜紀代
初髪の女のことを書く日記/阿部よし松
初髪の尻階段をのぼりゆく/柳家小三治
初髪の残り香ほのと昇降機/渡辺/笑子
初髪の稲穂はゆるるほどの長さ/鶴淡路
初髪の高さにグラス華甲の寿/児玉素朋
初髪といふも銀髪束ねたる/鳥越すみこ
初髪や姑となりても老うまじく/堀恭子
俳句例:41句目~
初髪や眉にほやかに富士額/高橋淡路女
初髪をかばひてくぐる祝幕/山崎新多浪
初髪を結うて厨に居るばかり/浜井那美
初髪を結うて形見の帯締めて/黒川悦子
古妻の初髪ほめてやりにけり/橋本花風
抜衣紋して薄着なる初島田/阿部みどり女
初髪はカリスマ美容師の妙技/有馬ひろこ
眦をあげて初髪結ひあがり/財家しげゆき
初髪に沈む珊瑚の紅きいのち/長谷川秋子
初髪の婢を恋ひけるも昔かな/冨田みのる
初髪や居間に閑かな日を入れて/高橋純子
初髪のおもたきことも嬉しくて/下田実花
初髪にひとりの夜の身を飾る/鈴木半風子
初髪に花かんざしといへる花/後藤比奈夫
初島田結ひてすね居る書斎かな/高浜虚子
初島田結ひてすね居る書斎かな/高浜虚子
初髪の鼻筋に日のかぐはしく/深見けん二
抜衣紋して薄着なる初島田/阿部みどり女
結ひ初の合せ鏡は亡母のもの/中村千恵子
結ひ初の重たき髷も嬉しけれ/高橋淡路女
俳句例:61句目~
老刀自の短かき髪を結ひ初めし/矢部榾郎
古書街に入るゆく年の髪剪つて/黒田杏子
年の髪言はねど今年許しけり/篠田悌二郎
光り満つ部屋こまやかに初髪とく/花谷和子
初髪にたりほの稲の小かんざし/高橋淡路女
初髪を古鏡のなかに結ひはじむ/永島理江子
初髪の娘がゆき微風したがへり/柴田白葉女
初髪の稲穂の揺れをまぶしめる/佐野青陽人
咳きこんでゐる初髪のかざしかな/細川加賀
妻の初髪電話に鳴られどほしなり/樋本詩葉
結ひ初めや暗がりを出て紅衣なり/香西照雄
初髪をあそびごころにおのれ結ふ/今井玲女
人見舞ふ初髪小さく結ひ替へて/北川喜多子
初髪に映ゆる夕日をいとほしむ/五所平之助
恋とならざりき大年の髪洗ふ/きくちつねこ
初髪に気付かぬ人に添ふことよ/小島千架子
初髪を結ひをり雪のふりてをり/久保田万太郎
手間どりて初髪結うてやりにけり/阿部みどり女