俳句例:101句目~
初鏡攻めくるものは何もなし/赤尾恵以
飼猫に見つめられおり初化粧/指中恒夫
明治座のいつもの部屋に初化粧/中村芝鶴
初鏡眉目よく生れこゝちよし/池内友次郎
過ぎし日も来る日もよけれ初鏡/高木晴子
初鏡すでにあらそふ子をかたへ/中村汀女
美しく老いんと思ふ初化粧/大橋/もと女
ほのぼのと初鏡より明けにけり/日野草城
心いまだ燃ゆるものあり初鏡/鈴木真砂女
明治座のいつもの部屋に初化粧/中村芝鶴
美しく老いんと思ふ初化粧/大橋/もと女
尾を立てて猫の過ぎたる初鏡/ふけとしこ
初鏡ホテルの部屋のうつりけり/山口波津女
初鏡泣き足りし顔といふべかり/殿村菟絲子
初鏡ぬちにうしろの世の見ゆる/赤松ケイ子
みごもりて少しやつれて初鏡/野見山ひふみ
映えぬ身のこころ燃えをり初鏡/宍戸富美子
初鏡拭いても拭いても母がゐる/海老名衣子
櫛とりかへてさす前髪や初鏡/長谷川零餘子
じんじんと岬しんしんと首初鏡/野ざらし延男
俳句例:121句目~
初鏡髪梳けばとて脈荒るゝ/『定本石橋秀野句文集』