「初鏡」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「初鏡」について
【表記】初鏡
【読み方】はつかがみ
【ローマ字読み】hatsukagami
子季語・関連季語・傍題・類語など
・初化粧(はつげしょう:hatsugesho)
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季節による分類
・「は」で始まる新年の季語
・「新年の生活」を表す季語
・「新年」に分類される季語
月ごとの分類
初鏡を含む俳句例
初鏡女も窈窕に/吉屋信子
六十も女盛りや初鏡/矢野絢
口紅は赤い銃弾初鏡/前山松花
梅や紅人の気の初鏡/上島鬼貫
唇をなめ消す紅や初鏡/杉田久女
口紅をもつて点晴初鏡/下村梅子
白紙に拭ひて船の初鏡/宮武寒々
八十のわが面相や初鏡/高岡智照
初鏡一畳で足る妻の城/土生重次
初鏡右手衰えし左利き/山中蛍火
父母がありて倖せ初鏡/高木晴子
初鏡齢は確と数へまじ/梅田美智
初鏡娘のあとに妻坐る/日野草城
初鏡巡礼姿しかと決め/磯野充伯
初鏡とて大埃自若たり/宮坂静生
初鏡手話試みて教師たり/浜明史
柱の巾の初鏡拭ひけり/石川桂郎
出勤の常の髪結ふ初鏡/渡邊千枝子
総身を映して立てり初鏡/星野立子
いつぽんの白長睫毛初鏡/高澤良一
俳句例:21句目~
胎の子の丸み豊かや初鏡/中村純代
長寿眉自惚れてゐる初鏡/小嶋昭風
険失せてをり退職の初鏡/平野無石
飛行機のトイレの鏡初鏡/品川鈴子
首筋のふと親に似る初鏡/岩田由美
初鏡男の鼻毛伸びやすし/坂井春青
初鏡閨累々と横たはり/波多野爽波
むらさきの色衿重ね初鏡/影島智子
初鏡闇累々と横たはり/阿波野青畝
わが心映し顔あり初鏡/深見けん二
口下手の夫の一言初鏡/早乙女成子
島蔭に吊して海女の初鏡/小林俊彦
三面のいづこが母似初鏡/久場俊子
己が顔ふと他人めく初鏡/西尾照子
今更の男ぶりかよ初鏡/牛山一庭人
我が魂と対す我が目や初鏡/上野泰
煩悩の鬚あをく剃る初鏡/佐竹華杖
つややかな放心もあり/初鏡/遠藤煌
初鏡ふとした仕種母に似し/永川絢子
眼のあひて己れに親し初鏡/河野南畦
俳句例:41句目~
初鏡明るき方に位置替ふる/菖蒲あや
ひとの血を貰ふてよりの初鏡/栗島弘
装へば母のおもかげ初鏡/粕谷留津子
眉引も四十路となりし初鏡/杉田久女
まだ何も映らでありぬ初鏡/高浜虚子
初鏡母似の顔に紅をさす/天野美代子
平穏を貼りつめ老の初鏡/殿村莵絲子
一とくぎりつけ得て妻の初鏡/貞弘衛
七十路の淡き紅差す初鏡/内田八重子
初鏡妻の調度も古りにけり/塚本英哉
住み古りし家の小暗さ初鏡/高濱年尾
住み馴れしわが船室の初鏡/狩野刀川
初化粧すみし鏡に鬚を剃る/日野草城
初鏡逃げも隠れもできぬ顔/林十九楼
晩年の母に似てくる初鏡/松本サキ子
初鏡この眼のひかり失はじ/赤松恵子
玉手箱開けては駄目よ初鏡/橋本敏子
後ろにもうつれる人や初鏡/高浜虚子
初鏡とて粧ひもなかりけり/中原千鳥
初鏡とみかうみ襟正しけり/高木晴子
俳句例:61句目~
片頬をさしのべにけり初鏡/京極杞陽
割烹着やうやく脱いで初鏡/吉屋信子
福白髪とももう言へず初鏡/塩田月史
初鏡逃げも隠れもせぬ齢/北見さとる
初鏡笑顔つくれば励まされ/西村和子
老妻の机の初鏡曇りなく/小原菁々子
背比べの孫に越されし初鏡/中村寒波
若き日の妻そのままに初鏡/長谷川櫂
初化粧すみし鏡に鬚を剃る/日野草城
覆あげしそこにわが顔初鏡/下村梅子
身の裡にのこる華やぎ初鏡/木村ふく
顔をまだ洗っていない初鏡/池田澄子
妻の顔うしろ吾が顔初鏡/坂本山秀朗
高々とかゝりてうつろ初鏡/高浜虚子
髪豊かなるも母似や初鏡/浅田伊賀子
娘の立ちしあと匂ひをり初鏡/加藤洋子
嫁がせて一人となりし初鏡/長野美恵子
初鏡鶴来つつあるはなやぎに/吉野義子
床上げとまではゆかずも初鏡/宇川紫鳥
初鏡拭ひたしかなもの見つむ/都筑智子
俳句例:81句目~
我が丈に子が追ひつきし初鏡/森藤千鶴
晩節の気負ひいささか初鏡/栗山よし子
柱にかけし輪飾うつり初鏡/高橋淡路女
初鏡竹の戦ぎに身の締り/阿部みどり女
あらためて母に似しこと初鏡/三村純也
すこやかに皺のふえゐる初鏡/奥村八一
ひとり身を通す気はなし初鏡/小畑啓子
やゝ紅の濃ゆしと思ふ初鏡/田畑美穂女
人のうしろに襟合せたり初鏡/中村汀女
初鏡譲り合ふ子が二人ゐて/井田/美絵
初鏡いくさの傷のまた縮み/増田三果樹
初鏡かざしてあやす赤子かな/長谷川櫂
ドライヤー唸らせ吾娘の初鏡/奈良文夫
初鏡ひげ落さねば亡父に似て/井上如風
吾が五指のしらじら動き初鏡/赤尾恵以
初鏡わがまな底の真を問ふ/平井さち子
妻と我いちどきになり初鏡/波多野爽波
飼猫に見つめられおり初化粧/指中恒夫
初鏡夢もろともに映しけり/稲畑廣太郎
初鏡思ひがけなき色も似合ひ/松尾美子