「初鰹」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「初鰹」について
【表記】初鰹
【読み方】はつがつお
【ローマ字読み】hatsugatsuo
子季語・関連季語・傍題・類語など
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季節による分類
・「は」で始まる夏の季語
・「夏の動物」を表す季語
・「初夏」に分類される季語
月ごとの分類
初鰹を含む俳句例
擂鉢に骨付入れつ初鰹/喜舟
眼には青葉山郭公初松/素堂
目には青葉山郭公初鰹/素堂
目には青葉山郭公初松/素堂
普請して土間通す水初鰹/原裕
一と膳のみな海の幸初鰹/篠原
俎に頭はみだし初鰹/高橋絹代
返稿に朱圏豊かに初鰹/木村蕪城
未婚二十七歳半ば初鰹/馬場駿吉
花鳥もきのふと過て初鰹/芙蓉花
中落に一擲銭や初鰹/松根東洋城
糶に出て女も火玉初鰹/古舘曹人
北溟にどんなやら初鰹/会津八一
山村の祝ぎ唄素朴初鰹/関由紀子
大江戸や犬もありつく初鰹/一茶
流行醤の玄関先や初松/井上井月
江戸亡ぶ俎に在り初鰹/高浜虚子
江戸ツ子の中の神田や初松/五空
初鰹観世太夫がはし居かな/蕪村
鎌倉を生きて出でけむ初鰹/芭蕉
俳句例:21句目~
初鰹糶の氷片とばしけり/皆川盤水
船着くや糶場へ滑る初鰹/池森昭子
卯の花を夜目のあなたや初松/澄雄
一本を抛り足したる初鰹/串上青蓑
市場まで夜船送りや初松/井上井月
御僧は説かず娶らず初鰹/清水基吉
本降りのあとの晩晴初鰹/鷹羽狩行
冷々と舌に載りけり初鰹/増田龍雨
浅草もさみしくなりぬ初鰹/真鍋青
初松厨に人のたかりけり/籾山柑子
町空をとどろかす雷初鰹/井上美子
目には青葉山ほととぎす初鰹/素堂
船津屋の屋敷稲荷に初鰹/田中英子
関東にまた移り住み初鰹/松尾緑富
憂人の鮓にもすこし初がつを/巣兆
初鰹もろ手に捧げ糶りはじむ/謙三
初鰹亭主関白つらぬきて/澤田緑生
初鰹兄弟揃ふ日なりけり/高田堅舟
初鰹包丁持つは夫の役/稲畑廣太郎
初鰹夜の巷に置く身かな/石田波郷
俳句例:41句目~
初鰹小判こぼせし革財布/中川四明
初鰹市へ負ひゆくみな女/亀井糸游
初鰹桶より抜きて暁の糶/中村房子
今日のみは江戸つ子たらむ初鰹/林翔
酖をもつて可なりとやせん初鰹/沙月
街の日に潮や吐かん初鰹/大谷碧雲居
沖を指す航跡ふとし初鰹/益本三知子
久闊や土佐もここなる初鰹/高木晴子
初がつをと筍飯の夕餉かな/田中冬二
初鰹双生児同日歩き初む/中村草田男
水はじき鉄のごとしや初鰹/鷹羽狩行
初松羽が生えたり江戸の空/正岡子規
初鰹威勢よく売る老夫婦/佐野たけ子
包丁を弾ませ下ろす初鰹/内山美智子
初鰹恋にも旬のあるような/高木一惠
初鰹料りし気魄盛られある/高橋笛美
初鰹盛ならべたる牡丹かな/服部嵐雪
初鰹男ばかりで囲みたる/宇多喜代子
初鰹女が負けず糶り落す/夏井やすを
初がつをどすんと岬たたく波/中拓夫
俳句例:61句目~
初松燈が入りて胸しづまりぬ/草間時彦
初松聞をよんだるばかりなり/岡野知十
初鰹その外何も無き荷かな/島村元句集
断つほどの酒にはあらず初鰹/鷹羽狩行
樹々植ゑて神田に住むや初鰹/野村喜舟
初鰹朝風呂好きときこへけり/野村喜舟
初鰹いたくさげすむ門地かな/飯田蛇笏
海を見ぬ月日に馴れて初鰹/宍戸富美子
牟婁の江のにぎわひ続き初鰹/吉田伝治
初鰹血のつながりは父のもの/椎橋清翠
初鰹固しと食らい死を忘ず/藤村多加夫
腹も背もしろがね深き初鰹/宇多喜代子
初鰹都心に出でて日暮れたり/石川桂郎
通り過ぎもどりては買ふ初鰹/如月真菜
受話器とる妻の濡れ手や初鰹/岡田貞峰
雨ざつと来てさっと去り初鰹/太田寛郎
上の句はなんであらうと初松/加藤郁乎
初鰹盛りならべたる牡丹かな/服部嵐雪
初鰹より土佐の旅はじまりし/稲畑汀子
めでたかり出刃打ちこんで初鰹/石川桂郎
俳句例:81句目~
初鰹五十年酒に背きし時あらず/橋本夢道
四明忌やその絵すさびの初松/山口八九子
みどり葉を敷いて楚々たり初鰹/三橋鷹女
夕かげにみどり顕ちけり初鰹/上田五千石
初鰹襲名いさぎよかりけり/久保田万太郎
初鰹子とゐる父にバッハの曲/永田耕一郎
江戸を云ふざつかけなしや初松/加藤郁乎
初松あゝつがもねえなまりとは/加藤郁乎
たつぷりと泣き初鰹食ひにゆく/宇多喜代子